落こぼれ 道を拓く!? 日経コンピュータ11/11より - ITコンサルティング全般 - 専門家プロファイル

谷口 浩一
株式会社チームデルタ 代表取締役
千葉県
Webプロデューサー

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閲覧数順 2024年04月15日更新

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落こぼれ 道を拓く!? 日経コンピュータ11/11より

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サイトプロデュースの現場から サイトプロデュースの舞台裏
昔々、プログラマーからスタートした僕のサラリーマン人生。

とても若いとは言えない29歳で、とびっきり『専門性』の高い業界での就職。
何一つ知らない僕にとって、この『専門性』は魔界の使者のようであり、当時はほんとに苦しめられました(笑)。
でも、この『矛盾だらけの専門性』が、後に、僕が今の業界で独立するためのエンジン役を果たしてくれたのも事実です。
なぜなら、それが、『僕なりの正義』を生み出す原点になったからなんです。


こんにちは。
チームデルタの谷口です。


僕は、この業界では完全なる『落ちこぼれ』でした。
その『落ちこぼれ』が、道を拓いた、とかで、日経コンピュータさんから取材いただいたんです。

なんたって『プログラマー30歳限界説』なんてことがささやかれる中、29歳でプログラマーデビューですよ(笑)。
先輩たちの話す意味が正しく理解できなかったし、それどころか、わかることが増えれば増えるほど、矛盾を感じることも増えるし、マニュアル、リファレンス(ほとんどが英文でしたが、それが理由ではなく)は、わざととしか思えないほどわかりにくい編集。
取説なんて、いったいどう書いたらこんなに難しい言い回しになるんだよって感じ。

でも、周りのみんなは、それらにとってもスムーズに馴染んでるように見えました、当時の僕には。
疎外感の森に一人でいるような気分でしたね。

そんな中、僕の一番の疑問と矛盾は、いつも


  『それで客は納得する(あるいは喜んでくれる)んかよ?』


でした。
誰にも言えないから(だって、この業界ではスタンダードであることがとても大事なことのようでしたから)心の中だけで反芻してました。

今から20年前、IT(という言葉も実はなかったんですが)業界では、


  ・仕様に書かれてない(要件定義されない)ことは not my business
  ・知らない方が悪い
  ・使い勝手?  何それ?


が、ほんとにほんとに当たり前のようにまかり通っていました。


仕様のすべてを明らかにするのが客の仕事なの?
客が ”知らない”(あるいは、わからないことがたくさんある)のは、当たり前でないの?
PCの習熟度の低い(当時の僕もそうでした)利用者のことは考慮しないの?


プログラマ1年生の僕の疑問を解決してくれる先輩は、残念ながら、当時1人もいませんでした。
それから数年。

インターネットの商用利用が始まり、たくさんのWebサイトが有益な情報を伝え始め、人が集まり、お金設けの仕組みができはじめた頃、


  『コンピュータを使う』


という行為の周辺で、世の中で初めて


  『ユーザビリティ』


が、大まじめに、そして表舞台で語られるようになりました。
僕はこのとき初めて、いろんなことが腑に落ち、何年も抱えていた疑問が解決し、少し自信を持つことができたんです。

そう、この頃、僕はようやく、落ちこぼれを卒業できたわけです(笑)。

先日のコラム『取材、お願いしたいんですけど!?』でも書いたように、日経コンピュータさんからインタビューを受けた時の記事が『特集 自分の道を拓く!〜迷う心に11人の体験談(全文は11月11号誌面にて) 』なんて、当の本人には少々恥ずかしくなるようなタイトルで掲載されました。
落ちこぼれだった僕が、プログラマーとして得た知識をベースに、商用利用が始まったばかりのインターネットと関わる中で、『僕なりの正義』を打ち立て、検証・フィードバックを繰り返し、時にひどくすっころびながら今に至るまでを取材いただきました。
『迷う心』に少しでも効果があればうれしいですが。


インターネットの登場により、プログラマー、SEからクリエイティブワーク、マーケティング・プロモーションと縦にも横にも職域を広げてきた僕のプロファイルですが、いつもこんなことを心の隅っこに持ち続けてきたように思います。


  『知らないことより、当たり前と思ってしまうほうが怖い』


と。

何だか落ちこぼれの負け惜しみみたいですね(笑)。


でも、業界のスタンダードと言われながら、どうにも肯けないケースってありませんか?
『そうすることが当たり前』って言われたって、それで誰が喜ぶのよ? って思うこと、ありません?
あなたがもしそう感じる時があるなら、それを武器として周りに戦いを挑むのではなく、あなたの大切な宝物として育ててください。

『当たり前』という見かた、あるいは、柔軟でない姿勢では、問題を見つけたり、疑問を抱く機会を失うことになりかねません。
大きな損失だと思います。
だって、あらゆるビジネスチャンスは、『未解決の大地』に眠ってるわけですから。


そういう意味で僕は、今も現場主義のプレーヤーでありながら、いつも何かに『落ちこぼれ』ていたいと思ってるんです。


成功するWeb戦略とホームページ制作のチームデルタ
谷口浩一