ビジネス文章力をアップさせる(23) - クリエイティブ制作全般 - 専門家プロファイル

野村佳代
出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
ライター

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対象:クリエイティブ制作

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ビジネス文章力をアップさせる(23)

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ビジネスで書く文章の特徴




目的と書く内容が決まっている




今日は、改めてビジネス文章の特徴について考えてみたいと思います。


ビジネスで書く文章でもっとも特徴的なのは、「目的と内容が決まっている」ことです。

小学生のころ、「夏休みの思い出」について作文を書くようなことはなかったでしょうか。

このような作文では、書く内容についてあれこれと悩んでしまいます。
「夏休みの思い出」「修学旅行の思い出」などでは、テーマが広すぎて、その中から何を書くのかを考える必要があるからです。

また、目的についても自分で決める必要があります。
文章の目的とは、「読んだ人に何を与えるか」です。
「読んだ人にどうなってほしいか、どうしてほしいか」でもあります。


一方、ビジネスで書く文章は、書く目的がはっきりしています。

たとえば企画書であれば、「企画を通してもらう」という目的があります。
面会の申込みなら「会ってもらう」、お礼状なら「お礼を伝える」という目的です。
社内文書で健康診断のお知らせをするなら、「健康診断を受けてもらう」という目的がありますし、消費者調査のレポートなら、「わかったことを報告する」目的があります。

読み手に「どうなってほしいか」「どうしてほしいか」がはっきりしているわけです。


目的が明確ならば、書く内容についてあまり悩むこともないはずです。

たとえば入社試験、大学入試などでも用いられる小論文などは、書く内容について、深い考察が必要です。
「日本社会の問題点と必要とされる社会的方策」「文学作品についての評価について」などと言われても、すぐにすらすら答えられる人は少ないでしょう。
まずは、命題に対して自分の意見を固める必要があります。

一方、ビジネスで書く文章は「目的が明確である」分、「書く内容もある程度決まっている」と言えます。

先ほどの例で言うと、企画書の目的は「企画を通してもらう」ことですから、その企画が必要な理由を書くわけです。
企画の内容について、アイディアもなく書き出す人はいないでしょう。
企画は、仕事を通してさまざまな資料を調べたり、周りの話を聞いたりして生まれるものですから、企画書に書く時点では頭の中にあるものを表現するだけとも言えます。

ある程度、自分の考えを書く必要のあるレポートにしても、通常の業務や研修を通じて、すでに自分の中で意見が固まっていることが多いはずです。
その意見を文章にしていくのですから、少なくとも小論文のように「自分はこの問題に対してどんな意見を持っているだろう」と考える必要はありません。


ビジネス文章は、文章テクニック以上に、その内容の良し悪しが求められる。

内容の良し悪しは、自分の考え、意見を固めることである。

自分の考え、意見をしっかり確立するためには、普段の仕事に集中することである。


つまり、今現在、目の前にある仕事を必死にやることで、ビジネス文章も書きやすくなると言えるのです。


次回は、「ロジカルシンキング」について、改めて考えてみましょう。


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