- 野村佳代
- 出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
- ライター
書けない漢字はひらがなで
接続詞はひらがなが基本
パソコンが普及したため、文章を書くことが余計に身近になっているように思います。
文字の上手・下手を気にすることなく書けますし、体裁も整えやすいうえ、文字料を計算する機能があったりと、パソコンのワープロソフトは便利な道具と言えます。
私も手書きで原稿を作成することはほとんどありません。
ところが、一般の方がパソコンで文章を書くと、「漢字を多く使ってしまう」傾向が出てしまいます。
変換ボタンで簡単に漢字になってしまうからでしょう。
これは、文章をかえって読みづらくしてしまうので、注意したいポイントです。
たとえば「従って」「兎に角」「所謂」「其の」などです。
これらは、「したがって」「とにかく」「いわゆる」「その」と書いた方が自然で読みやすくなります。
「何故ならば」「様々」「出来る」「是非とも」なども「なぜならば」「さまざま」「できる」「ぜひとも」の方がいいでしょう。「又は」などは法律では漢字で用いられますが、通常の文章であれば「または」の方が自然です。
「接続詞」「副詞」は基本的にひらがな、と覚えておくとよいと思います。
また、オススメなのは「常用漢字以外はひらがな」を基軸にすることです。
たとえば「餞別」は、餞の文字が常用漢字ではありません。「せんべつ」とひらがなにするのが基本です。
ただし、これは前後関係もあります。前後にひらがなが続く場合、「せんべつ」とひらがなで書くと、かえって読みづらくなるわけです。このような場合は、餞別を漢字で表記して、読み仮名をふる方法もあります。
逆に、前後に漢字が続く場合は「せんべつ」とひらがなで書いた方がよいでしょう。
表記について深く考える人は少ないようですが、表記ひとつで文章が読みづらくなったり、読みにくくなったりします。
大きな書店では、「用字用語の手引き」などが販売されています。新聞社や通信社のルールが紹介されているものも多くあります。
このような本を手元に置いておけば、表記に悩むことは少なくなります。
ぜひ、一度ご覧になってください。
次回は、同音異義語について紹介します。