まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして深謝いたします。
今回は、『鼻のプロテーゼ(シリコン)を抜いたら凹むのか?』とうことについて、ご紹介したいと思います。結論から申し上げると、『年数による』というのが、私の考えです。
挿入術後数年の時間経過で、抜去することは、経験上珍しくないのですが、10年以上経過すると、プロテーゼ(シリコン)が入っていた空間が、しっかりとしてしまい、戻らないという事も十分に考えられるからなのです。
また、入れられている材料の大きさや硬さによっては、鼻骨が凹んでしまうことも想定しなくてはなりません。
そこで、抜去の際には、単純に抜去するというよりも、状況によって、
1.鼻尖軟骨形成術
2.凹んだ部分に対する穴埋め(自家組織による充填)
等を考えます。
また、年数がたっている方の抜去の際は、皮膚との癒着が強いことが多く、『皮膚に穴をあけてしまわないように』丁寧な手術と剥高度な剥離技術が要求されます。
今回は、32年前に他院にて手術を受けた方でしたので、術後に『相当凹む』と想定して手術しました。
しかし、術後経過を追うと、自然と改善することも少なくないので、『追加手術は、経過を見て、後日必要であれば、軟骨移植等を考える』という事にしました。
鼻尖の形状に関しては、プロテーゼ(シリコン)を抜いただけですと、左右の鼻翼軟骨の位置がずれそうでしたので、鼻尖形成術は同時に行う事としました。
この方の術後の経過や、形状およびどのようなプロテーゼ(シリコン)が入っていたか等に関しては、私のコラム『美容外科話』に載せましたので、そちらを参照して頂きたいのですが、術中にプロテーゼ(シリコン)を抜いた直後の状態をお見せしたいと思います。
写真の中に黄色い矢印で示した部分が凹んだ部分です。
術中これだけ凹むと、穴埋めをしたくなるのが人情なのですが、先述したように、自然改善する可能性も考慮して、鼻尖の形状を整えて終了しました。
次に術後1か月の状態をお見せします。
まだ鼻根部に若干凸凹感があるものの、術中所見に比べると大幅に改善したのがお分かりいただけると思います。この後の経過については、私のコラム『美容外科話』を御覧下さい。
山本クリニック【公式】ホームページ 美容外科話No.393 32年前のシリコン(プロテーゼ)を抜きたい!!とるだけで、大丈夫??
術後凹んだ状態で、他院に見せに行く(セカンドオピニオン)と、『これは、大変だ。すぐに手術しないといけない』と言われたとおっしゃる方にお会いすることも珍しくないのですが、修正手術は、通常の経過と異なりますので、私のいう事をきちんと聞いてほしいと思います。
また、この凸凹に適当に自家組織を移植されると、修正不能になり、私自身も手が出せなくなってしまうことさえあります。
いつも同じことを書きますが、修正手術を受けられる際は、手術前に複数の医療機関を受診し、セカンドオピニオンも大事にしてほしいと思いますが、手術後には、きちんと担当医を信用していただきたいと思います。
山本クリニック TEL:03-5315-4391
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このコラムの執筆専門家
- 山本 豊
- (東京都 / 院長)
- 新宿山本クリニック
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美容整形手術における、数多くの修正手術の症例数を持つ、私だからこそ出来るアドバイスがあります。初回・修正を問わず、目や鼻、リフトアップの美容手術はもちろん、美肌治療やヒアルロン酸などの美容皮膚科の分野にも広く対応しております。