あなたと働きたいと言われる店長のシンプル習慣・・・ステージ６：その６

「スタッフと一緒に考えていたら時間がかかるし、しようと思っていたことが出来なくなることもあるし・・・それでも、スタッフと一緒に考えることの方が大切なんですか？」

いつも私は、店長達に「店長が独断で決めて指示だけをするのではなく、何をどうするのかをスタッフと一緒に決めていきましょう」とお話をしています。
すると、そうしようとしてうまくいかなかった店長からこのような相談を受けることがあります。
相談と言うよりも、ぼやきというか、クレームというか・・・もしかしたら弱音かもしれませんね。

彼女が言うには、

「スタッフを参加させると、話がまとまらない」
「自分が、これが最も良いと思っていた方法と違う意見ばかり出てくる」
「意見が幼稚で話にならないことが多い」

その結果、彼女がとっていた方法は、「誘導」「否定」「命令」です。

「私は、この方法が良いと思うよ。これにしようよ」
「あなたの意見はわかるけれど、それじゃあうまくいかないわ」
「もっと真剣に考えてよ」
「もう、良いから私の言う通りにやって！」

これでは、スタッフは積極的に意見を言おうとはしなくなります。
「みんなで決めようと言いながら、最後は店長の意見で決まってしまうのならば、別に自分たちの意見なんて必要ない。」
スタッフ達は、このように考えるようになってしまうのです。

ほんとうに店長の考えが最も良い考えなのですか？
店長と同じだけの情報や知識を提供しているのですか？
スタッフと店長は、同じミッションを共有しているのですか？
ゴールだけでなく、条件やリスクやルールやポリシーやブランドについて、スタッフと店長は合意しているのですか？
そもそも、目的は一致していますか？

スタッフの意見が参考にならないなどと言っている店長は、そもそもスタッフの良い考えを引き出せるような環境を与えていないのです。
店長の方が、経験や情報、知識をたくさん持っているのは当たり前です。
店長ですからね。
でも、店長は、スタッフの持っている経験や知識や情報を「全て」持っているわけではありません。
ある意味お互い様なのです。
その上で、店長が、スタッフに「知識」や「情報」をいつも的確に提供していたら、スタッフはもっと鋭いアイデアを出してくる可能性があると思いませんか？

あなたはスタッフを信じることは出来ませんか？
いや、口では「信じている」と言いながら、行動は「信じていない」のではないですか？
たとえば、スタッフの意見に対して「でも」「しかし」「いや」「ちがう」などと、否定したり条件付きで肯定したりしていませんか？

あなたが言う言葉は、「へえ～」「なるほど」「そうなんだ」「もっと教えて」という肯定と興味関心の反応です。
すると、スタッフはもっとポジティブに「深掘りした考え」を出すようになります。
その結果、あなたはスタッフを信じることが出来る様になるのです。
あなたがスタッフを信じられないのは、実はあなたの反応が原因なのです。

つまり、まだ「信じ切れていない」あなたは、「へえ～」「なるほど」「そうなんだ」「もっと教えて」が足らないのです。
だからね、これを言えば、「こいつ・・・すごい！」と思えるようになると言う事ですよ。
ま、信じるか信じないかは、あなた次第ですけどね～

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