
- 吉田 武志
- 有限会社 ヨシダクラフト 代表取締役社長
- 栃木県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
普通の家は、こんな感じ。人が入れる床下空間がある。
こうしている理由は、1階の床と地面を近くして、庭との一体感を感じさせる設計だったり、床下の木部や床版コンクリートに温水パイプや電熱線を通した床暖房のためだったりする。コンクリートと床を近くしてコンクリートに蓄熱させて、効率よく床暖房しようとしているのだろう。
床下空間があると防蟻処理ができる。床下に入る前の養生写真
しかし、床下に人が入れない設計はとても危険。
防蟻処理の職人さんが床下に入るところ
床下で白蟻が発生した場合。人が床下に入って床下点検できない構造のため対処が遅れる。
床に穴を開けて防蟻処理しても、施工後の確認も出来ないのだ。
また、床下の給排水管が水漏れした時も対処できない。
床下に人が入るスペースが無いということは、地面と木部が近いということ。
地面と土台や床材等の木部が近いと、白蟻にとっては移動距離が少ないので好都合なのだ。
また、床暖房すると床下空間も暖かくなるから、これまた白蟻には好都合。
床下に人が入れない住まいの設計者が、有名な住宅建築家だったりすると、影響はとても大きい。その建物が図面付で雑誌に載ったりすると、現場経験の無い設計者や設計施工者は、床下点検できないことが分からずにマネしてしまう。合掌、アーメン。
また、私がやりたくても出来ないことに、基礎の外側に断熱材を設置して、床下にエアコン等で温風を送り込んで、1階の床暖房をするという方法がある。これをやりたい。
とても、快適だろう。
しかし、これが出来ない。悔しい。
リフォーム工事等で、基礎外側断熱の白蟻の被害を見てしまうと、これが出来ないのだ。断熱材と基礎の隙間から白蟻に入られてしまうと、人が
床下に入れる構造でも、その外側で起こっていることだから。対処方法が無くなってしまう。板金で土台下に蟻返しを造ったりするんだろうけど、基礎外側の断熱材は食われちゃうものなあ。
だから基礎外側断熱は諦めて、消去法で床断熱をしている。間違いはないからね。
リフォームやってなくて、新築だけやってたら、基礎断熱やってたな。
2007年にも同じようなこと書いてました。
この白蟻屋さんのブログが論より証拠
ヨシダクラフト