「店長は、ちゃんとトレーニングして下さいます。でも、自分達がなかなか店長の期待には応えられないんです。やっぱり、私には無理です。自信がありません。」
従業員満足度調査の結果が「ステージ2で60%」しかも「90%のスタッフが退職を考えている」と言う事態に、スタッフの個人面談を行ったスーパーバイザーは、彼らの口からこのような言葉を聴くことになりました。スタッフ達が口にした共通の言葉、それは、店長に対する不満ではなく、「自分の仕事に対する自信の無さ」だったのです。
6ステージ従業員満足度での「ステージ2」とは、「報酬と承認」についての満足感が得られているかどうか、と言う段階です。この店では、店長がスタッフの時給を決めていました。店長が決めた仕事の出来具合や店に対する貢献度で決めていたのです。もちろん、店長は一定のレベルの仕事が出来れば時給を上げていました。誰もが採用当初の時給で働いているわけではありません。その為、スタッフも時給について、さほど不満を感じているような様子ではありませんでした。
しかし、このステージにはもうひとつ重要なポイントがあります。それが「承認」なのです。
「承認」とは、存在や行動や価値や成長や成果が認められると言うことです。実はこの店のスタッフ達は、「承認」についての質問にほぼ全員が「NO」と答えていたのです。つまり、「自分達は認められていない」と感じていたのです。ステージ4の段階で感じることが出来る「トレーニングをしてくれる」と言う項目に対する「YES」が多かったにも関わらず、自分達は「認められていない」と感じていたのです。これが、彼らの口から共通して出てきた言葉「自信が無い」に繋がっていると、スーパーバイザーは考えました。
「店長・・・スタッフ達を認めていますか?」
「もちろん認めていますよ。彼らなりに良くがんばっています。」
「でも、結果としては、それは彼らには伝わっていないようですね。」
「う・・・・ん」
「認める」というのは、何も言葉だけで伝えるものではありません。もちろん「がんばっているね」「あそこではこう言う風に動いたんだね」「あの時の判断は周りのスタッフも喜んでいたね」などというふうに、言葉で伝えることも効果的なのですが、まずは「見る」と言う行動でも、「認める」ことは出来るのです。
スタッフが何かを考え判断し行動したときに、店長が見ていてくれて「首を上下に動かせば」・・・・「よし!」と言う合図と受け取れます。オッケーサインをして上げても良いのです。ニコッとした表情をするだけでも構わないのです。店長から「それで良いよ」と言うサインを受け取ることが出来たら、スタッフは大いに自信を持ちます。
この店の店長には、この「認める」と言う行動が極端に少なかったのです。と言うか、全く無いと言って良いほどでした。その為スタッフは、教えてもらったことをしても、それで良かったのかどうか自信を持てないままに不安な気持ちで作業を行っているので、お客様にも明確には伝わらなかったのでしょう。
「スタッフの中にある自信を引き出す」・・・・これは、トレーニング、指導、教育の順調な進捗を示すバロメーターなのです。これをせずに、考え方や技術だけを教えても、若いスタッフ達は、そう上手くは店長の求める基準では出来ませんからね。
さて、スーパーバイザーは、スタッフとの面談と従業員満足度調査からわかったことを、店長に伝えました。
すると・・・・明日に続く
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