こちらも杉の床が広がる空間です。
元々は和室6畳と洋室のリビングダイニングが襖でつながった、マンションではよくある間取りでしたが、既存の間仕切壁をとりはらい、長方形のシンプルな空間へ生まれ変わりました。
この建物は、柱で支えるラーメン構造ではなく、壁で支える壁式構造でしたので、(躯体の構造壁は動かせないため)間取りの制約を受けましたが、その分、壁の上部に梁形が出ないという利点もありました。梁形がないほうが、凹凸によって変な影ができず、光がきれいに奥まで通ります。
リビングルームには、壁際に連続した扉を持つ、低いカウンター収納を設けています。
部屋の奥側、視線の先には南に面した大きな窓、その先にバルコニーがあるのですが、その窓枠と収納の面を合わせているため、光のグラデーションが綺麗にあらわれました。また、カウンター収納の連続した扉が空間にリズム感を与えてくれているようです。
窓側のガラリになっている所には、床置きのエアコンが入る予定。でも、床材が杉なので冬暖かく、南北の窓を開ければ風通しもいいので、いまのところエアコンなしの生活にチャレンジ中のご様子です。
村上建築設計室