「など」と異文化コミュニケーション - 英語全般 - 専門家プロファイル

野村 直美
ENGLISH SCHOOL cocoro 代表
英語講師

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閲覧数順 2017年11月24日更新

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「など」と異文化コミュニケーション

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専門家プロファイル のQ&Aで、面白い質問を見つけました。

(↑私は、4月からこちらに掲載頂いております。)

質問は高校2年生の方からで、内容は次の通りです。

 

「英語でのEssayを書いている時に
"for instance, ~, ~,"のように2つの例を紹介した後に
日本語で言うと 「例えば~や ~や ~などがあります」の様に
最後に~などに当たる言葉を加えたいです。

and so onやetcはessayに適している言葉ではないということなのですが
どのような言葉を使えば良いのかを知りたいです。」

(カナダの高校で言われたそうです。)

 

「など」という日本語について、以前、アメリカ人通訳者、翻訳を手がけるイギリス人の大学の先生と話をしたことがあります。

このお二人は、大変日本語が流暢です。目を閉じて彼らの日本語を聞いていると、広島人が話す標準語より上手な標準語で、日本人かと思ってしまいます。

このお二人とも、日本語で「など」を言うのが大好き!

彼らに「など」はどういう意味かと尋ねると、

「いくつか事柄を羅列した後に付ける意味のない言葉」

と言っていました。

 

私たちは、「など」をよく言いますし、耳にもしますし、文章でも見かけます。

けれど、その「など」が何か、あまり考えたことはないですよね。

例えば、①「東京と横浜などは、・・・・です。」は、②「東京と横浜は・・・・です。」と同じ意味ですよね。

ところが、私たち日本人にとって、①と②を比べると、①の方が、丁寧な感じがしてしまいませんか。

 

さて、話を戻して、この高校2年生の方の質問の中に、

「日本語で言うと 「例えば~や ~や ~などがあります」の様に
最後に~などに当たる言葉を加えたいです。」

とあります。

 

このように、母国語で考えて外国語を使おうとする際に起こる障害を、「母語干渉」と言います。

母語干渉は何も日英間だけで起こることではありません。顕著なものは、中日間があります。同じ漢字を持つ、中国語と日本語が故、日本人と中国人が互いの言語を学ぶ時、母国語の文法や、言い方をそのまま、互いの国の言語に反映させると、間違いが多く起こります。

例えば:

「私が言いたいのは・・・」と日本語で言うと、相手に反論いているように聞こえます。中国人が日本語を話す時、「私が言いたいのは・・・」とよく言うそうです。当然、それを聞いている日本人は、その中国人のことを「やっぱり、気が強いなぁ。」なんて、思ってしまうかもしれません。

ところが、中国語で「私が言いたいのは・・・」という表現は、ごく普通の日常会話で、そのような切り出しで、話し始めるのだそうです。ですから、この中国人は、中国語をそのまま、日本語に翻訳して話したので、母語干渉が起こってしまい、思いもよらないニュアンスを伴い、相手に伝わってしまったとうい訳です。

 

そして、最初に話したアメリカ人とイギリス人が日本語を話す時、どうして、「など」をよく使うかというと、英語にはない言葉で、とても日本らしいからです。彼らは、外国語である日本語を話す時、母語干渉を起こしません。なぜなら、日本語と英語は、全然違う文化背景を持った言語だと認識しているので、日本語で話す時には日本語の、英語で話す時は英語の思考です。

 

翻訳を介して外国語を使おうとすると、母語干渉が起こる事があるのですが、この母語干渉を通して、「異文化コミュニケーション」を感じることができるとも思います。

 

「東京と横浜などは。。。」と「東京と横浜は。。。」の二つの文章を聞いて、同じ意味であり、また、前者の方が心地よく聞こえる日本語。

Tokyo and Yokohama are... と、Tokyo, Yokohama and so on are ... は、同じ意味ではなく、なおかつ、後者は、不明瞭である英語。

 

外国語を学ぶ時、苦悩するのは、語彙の欠如だけではなく、自国の文化によって学習を妨げられる事が頻繁に起こるのです。けれど、悲観せず、この苦悩の中に、その2国間の文化的違いを見る事ができると、学習しているその外国語のことを、より深く理解して行けるのではないかと思います。

 

私は、この高校2年生の方は、日本語の「など」を英語で言いたいと言われているので、など=and so onと翻訳したので、母語干渉を起こし、カナダの高校の教員が、彼女の文章中のand so onが適切ではないと言ったのではないかと思います。

また、学校で書くessayでは、本当にand so onに相当する中身があるのであれば、明瞭にその中身そのものを書かなければいけません。

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