西島 正樹(建築家)- コラム「セキュリティデザインを楽しむ-6  ■「抑止」と「防御」」 - 専門家プロファイル

西島 正樹
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西島 正樹

ニシジマ マサキ
( 東京都 / 建築家 )
西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
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セキュリティデザインを楽しむ-6  ■「抑止」と「防御」

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マスメディア・コラム 2019-10-21 17:17


 空き巣には、私たちが普通に考える「住宅窃盗犯」というタイプとは別に「住宅強盗犯」とでもいうべきタイプがいます。こっそり入り気づかれずに盗むのではなく、力尽くで入り込み盗み尽くすというタイプです。ここで、家=巣のもつ「抑止」と「防御」という2つの構造とを照らし合わせると、興味深いことがわかります。

「住宅窃盗犯」の職人タイプに対しては「抑止」が大いに効果を発揮します。いわば、設計者+住み手vs犯人の知恵比べです。

一方、「住宅強盗犯」の凶暴種に対しては、もはや知恵比べは通用せず、力比べをするしかありません。盗難対策以前に自分の命を守らねばならず、家の中に最終避難室=パニックルームをつくることまで視野に入れた防御が必要となります。予算・面積共にゆとりがないと難しいですが、狙われるのも裕福な層に限られます。両者の防御はまったく異質であり、分けて考える必要があるわけです。

家づくりにあたっては、出会う確率の高い職人タイプに対応しつつ、凶暴種への防御グレードについては建主と相談しつつ決めていくのが現実的です。誰もが考えなければならない職人タイプへの対応について、次に作戦を立てていきます。(つづく)



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