沼田 順(ファイナンシャルプランナー)- コラム「2012年10月の住宅ローン金利と今後の見通し」 - 専門家プロファイル

沼田 順
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ヌマタ ジュン
( 兵庫県 / ファイナンシャルプランナー )
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2012年10月の住宅ローン金利と今後の見通し

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相談業務 店舗タイプ 2012-10-01 09:00


 まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。9月18~19日に日本銀行で開かれた、金融政策決定会合でもゼロ金利政策を全員一致で決定するなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。


 日本銀行は、1%程度の物価上昇率が見込めるまでは、ゼロ金利政策を続ける考えをより明確にしましたが、4月27日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では、物価上昇率が12年度は0.3%、13年度は0.7%にとどまるとみており、市場でもゼロ金利政策の長期化を予想する声が出ています。(この数値は数ヶ月前より0.2%程度上方修正されていますが、景気回復という側面よりも、原発停止による代替燃料のコスト増加といった、負の側面の方が強いと感じています)


 次に固定金利です。9月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.03%低下の2.46%となっています。


 これは9月19日に予想通り、日本銀行が追加の金融緩和を行いましたが、内容が国債の買い入れのみで、市場が期待していた、上場投資信託(ETF)が含まれないなど、中途半端な内容だったことから、追加緩和当初こそ円安・株高・債券安(金利高)が進んだものの、その後は材料出尽くしや、世界経済不安から円が買い戻され、下旬は逆に円高・株安・債券高(金利低)に逆戻りしてしまったことが、要因と考えられます。


 今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、固定金利も現在と同じ水準での推移が、継続するものと考えています。


 欧州中央銀行(ECB)、連邦準備制度理事会(FRB)、日本銀行と続いた追加の金融緩和により、世界市場全体がリスクオン(リスクを取りに行く姿勢)になりましたが、中国経済の急減速(日中間の政治対立も含む)や欧州の重債務国の1つであるスペインの格下げ懸念、そしてアメリカの強弱入り乱れる指標による、アメリカ経済の回復ペースの弱さなどにより、今は世界市場全体がリスクオフの状態になっています。


 世界がこのような状態では、日本経済の回復も当然ながら難しく、株式市場から債券市場にお金が流れ、固定金利の目安となる、10年物国債の利回り(長期金利)は0.7%台後半まで低下しています。


 今後も長期金利は0.7%台後半で推移するものと考えられ、来月の全期間固定金利は、現時点ではほぼ横ばい~低下の設定になるものと考えられます。


 なお、フラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、10月2日に発表の予定です。



沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)


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