沼田 順(ファイナンシャルプランナー)- コラム「2012年9月のソニー銀行の金利発表」 - 専門家プロファイル

沼田 順
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ヌマタ ジュン
( 兵庫県 / ファイナンシャルプランナー )
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2012年9月のソニー銀行の金利発表

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相談業務 店舗タイプ 2012-08-16 09:00


 銀行の中では、数少ない翌月の適用金利を今月に発表しているソニー銀行ですが、9月は固定金利が久しぶりに引き上げとなりました。


 まず変動金利ですが、これは日本銀行がゼロ金利政策を継続していることや、日本の短期金融市場が安定しているため、横ばいとなりました。変動金利の横ばいは9月の他行の金利でも同様だと思います。


 ただ、この金利設定はソニー銀行のネット広告などを見る限り、明らかに住信SBIネット銀行を意識したものと言えそうです。一方の住信SBIネット銀行も2月から変動金利の優遇幅をさらに引き下げるなど、消耗戦の模様を呈している感もあります。(最優遇金利でみるとソニー銀行が0.872%に対して、住信SBIネット銀行が0.865%になります。)


 但し、ソニー銀行は返済額を5年間一定とし、その一定の金額の範囲内で、元本、利息の定期的な見直しを行う「5年ルール」や、5年後に返済額を見直す際に、前回返済額の125%を上限とする「125%ルール」の不採用により、適用利率が急激に上昇した局面においては、返済額が大幅に増える可能性があります。


 ソニー銀行や新生銀行の変動金利を選択する際は、上記の仕組みの適用がないことをよく理解しておくことが必要です。


 一方の固定金利ですが、これは固定10年で前月比0.033%上昇の1.581%、20年超の最長期間で前月比0.042%上昇の2.348%となりました。20年超の最長期間の比較では、6月と同一金利となりました。


 長期固定金利の指標となる、10年物国債の利回り(長期金利)が、0.7%まで低下したことで銀行や生命保険会社などの機関投資家から、利益確定売りが出て利回りが上昇したことや、消費税増税法案が参議院で可決されるまでに政局の混乱があったことで、利回りが一時0.8%台を付けたことなどが原因と考えられます。


 今後の見通しですが、今回は金利が上昇しましたが、それによって金利上昇のトレンドに転換した訳ではなく、今後も狭いレンジ(幅)での金利設定が、継続するものと考えられます。


 金利が上昇するには、何より日本経済の回復が必要なわけですが、13日に発表された4-6月期の実質GDPは前期比0.3%増と、1-3月期の1.3%増と比較して急減速しました。


 これはやはり、円高によるところが大きいわけですが、欧州の債務問題が解決しない限り、ユーロ安・円高のポジションは解消せず、ドル安・円高も継続するものと考えられます。


 一方、悪い金利上昇の形として、国債などを売買する債券市場は、政局の混乱に非常に敏感であるという点に、注意する必要があります。今秋にも解散・総選挙と言われる中、選挙後の枠組みがはっきりしなければ、混乱を嫌気した売りが出て、金利が上昇する可能性はあります。(韓国との政治的対立も同様です)


 以上を踏まえて考えますと、懸念材料はあるものの、現在からここ数ヶ月で日本経済が急回復するとは考えられないため、変動金利、固定金利とも、低位安定の状態が持続するものと考えられます。


ソニー銀行、住宅ローン金利


沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)


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