沼田 順(ファイナンシャルプランナー)- コラム「12月の住宅ローン金利と今後の見通し」 - 専門家プロファイル

沼田 順
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ヌマタ ジュン
( 兵庫県 / ファイナンシャルプランナー )
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12月の住宅ローン金利と今後の見通し

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相談業務 店舗タイプ 2011-12-01 12:00


 まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。11月15、16日に日本銀行で開かれた、金融政策決定会合でもゼロ金利政策が全会一致で決定されるなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。


 日本銀行は、1%程度の物価上昇率が見込めるまでは、ゼロ金利政策を続ける考えですが、直近の展望レポートでは2013年度までは少なくとも、上記が0%台で推移しそうで、現在の変動金利の水準は長期化するものと考えられます。


 但し、念のために書いておきますが、日本も欧州以上の政府債務を抱えており、11月下旬の固定金利の指標となる、長期金利の上昇は欧州と同じ流れの上昇です。


 最悪のシナリオとして、日本の債務懸念から長期金利が上昇し、それに伴い円安が進んだ場合、日本銀行としては通貨防衛のために政策金利を引き上げざるを得ず、結果として変動金利も上昇する可能性はあります。


 次に固定金利です。12月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.05%上昇の2.70%となっています。


 11月は、中旬までは欧州の債務懸念による、株安・円高から債券市場に資金が集まり、日本国債が買われた結果、長期金利は0.95%近辺まで低下しました。


 今までの流れからすると、その後もこの水準が続くものと考えていましたが、ユーロ加盟国で最強のドイツ国債の入札が不調だった流れが、同じような経済構造の日本を連想させ、今まで買われていた日本国債が一転して売られる展開となり、11月末には1.05%近辺まで上昇しています。


 結果として、中旬までの金利低下と下旬の金利上昇が相殺されましたが、下旬の金利上昇が勝り、多少の上昇という設定に落ち着いたものと考えられます。


 今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、固定金利はかなり読みにくいというのが本音です。


 世界の投資家の投資行動はかなり萎縮しており、現在買われている国の国債はイギリスとアメリカだけという状況です。


 このような中で、ユーロの債務懸念問題やアメリカの景気動向など強弱入り交じる材料の中、12月に入って日本国債を積極的に買う材料にも乏しく、長期金利は1%前後で横ばいか、多少上昇して推移する可能性が高いものと考えられます。そうなりますと、長期金利に連動する固定金利も、横ばいか多少上昇の可能性が、現時点ではもっとも高いということになります。


 なお、フラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、12月2日に発表の予定です。

 

沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)


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