沼田 順(ファイナンシャルプランナー)- コラム「大震災が住宅ローン金利に与える影響」 - 専門家プロファイル

沼田 順
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ヌマタ ジュン
( 兵庫県 / ファイナンシャルプランナー )
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大震災が住宅ローン金利に与える影響

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相談業務 店舗タイプ 2011-03-15 13:00

 

このたびの大震災の被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。阪神淡路大震災の時もそうでしたが、こういう時に人間は本当に無力であることを痛感させられます。

 

所で、大震災が住宅ローン金利に与える影響についてのご質問がありましたので、ここで簡単に解説していきます。

 

まず変動金利ですが、これは今回の大震災が日本経済にダメージを与えるのは確実で、変動金利の目安となる日本銀行の政策金利の引き上げ時期がさらに遠のいたのは確実な印象です。

 

なお、14日に日本銀行で金融政策決定会合が開かれました。ここではさらなる金融緩和策として、日本銀行の買い入れ基金から5兆円を増額する措置が取られましたが、政策金利は実質的にゼロ金利であるため、これは据え置かれました。もともと白川総裁は利上げ論者であることから、これ以上の変動金利の低下はないものと考えられます。

 

次に長期固定金利ですが、14日に日経平均株価が600円以上下落したことから、安産資産と言われる日本国債が買われ、10年物の利回りは1.200%まで急低下しました。それまで銀行などの買い手は、今後の日本の政権運営への不透明感などから、5年物などの中期債に資金を振り向け、長期固定金利の指標となる10年物の利回りは1.300%前後で高止まりしていました。

 

しかし、今回の日本銀行の措置で長期国債の買い入れ増額が決まったことなどから、とりあえずは10年物に買いが入ったものと考えられます。

 

10年物の利回りがこのまま1.200%前後で推移する状態が続けば、4月の超長期固定やフラットの金利は引き下げになると考えられますが、冷静になって考えたときに、日本の予算関連法案等の行方が定かでないことや復興のために新たに日本国債を発行しなければならず、日本の財政収支はますます悪化することから、このまま低位安定するのも難しい気がします。

 

現時点の4月の超長期固定やフラットの金利は低下の可能性が一番高いと考えられますが、横ばいの可能性もあると考えています。

 

なお明日発表される、4月のソニー銀行の金利は変動金利は据え置き、固定金利は引き下げになると思いますが、これは3月のソニー銀行の金利が2月下旬の金利低下を織り込んでいないためであり、これがそのまま引き下げを織り込んだ他行の3月の金利に基づく、4月の金利とは一致しない可能性があるため、注意が必要です。

 

 

沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)

 


追伸:日本経済がダメージを受けているのにどうして円高が進んでいるのか、疑問に思われている方もいらっしゃると思います。これは海外資産に投資していた日本の投資家が当座で必要になった円資金を手当てするためにドル売り・円買いをしているためと、それを見越した投機筋の円買いによるためです。ちなみに同じようなことは阪神淡路大震災のときにも起きており、その数ヶ月後には円の最高値となる79円75銭を付けています。今回も同じような流れになれば円高がさらに進み、今回の株安とともにダブルパンチとなることも想定されます。

 

※このコラムの無断転載・引用はご遠慮願います

 

 

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