2015年6月の住宅ローン金利と今後の見通し
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まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。5月21~22日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも金融政策の現状維持を決定するなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。
日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは基本的に「量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、4月30日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では物価上昇率を15年度は+0.8%、16年度は+2.0%、17年度は+1.9%(消費税率引き上げの影響を除く)と予測しているものの、16年度の大勢予測の幅が+1.2%~+2.2%と大きく、2%の物価上昇率の達成に対して委員の間でも意見が割れていることが伺えます。(10月時点の見通しに比べて、15年度は-0.2%、16年度は-0.2%の下方修正、17年度は今回発表)
次に長期固定金利です。6月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.07%上昇の2.15%となっています。指標となる5月の長期金利が、概ね0.3%台後半~0.4%台前半で推移したことが要因と考えられます。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利の指標となる長期金利は上昇圧力が一服した展開となりそうです。
独、米などの海外金利上昇や国債入札の不調などで、日本の長期金利は一時0.4%台後半まで上昇しましたが、現在は概ね0.3%台後半~0.4%台前半で推移しています。
海外金利の上昇は一服するとの見方や、日銀オペなどで国内需給は引き締まると見られることから、今後も長期金利は上記の水準で推移する見込みです。
しかし、世界の債券市場が完全に落ち着いたとみる市場参加者は少なく、米の利上げ観測などに絡んで今後も振れが大きい展開も想定されます。(長期金利は国債の利回りを表し、その国債を取引するのが債券市場です)
このような流れを受けて、長期金利は概ね0.3%台~0.4%台で推移するものと見込まれ、その場合来月の長期固定金利はほぼ横ばいの可能性が最も高いと考えています。
なお、フラット35の金利は月初の第1営業日にあたる、1日に発表の予定です。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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