2015年2月の住宅ローン金利と今後の見通し
-
まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。1月20~21日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも金融政策の現状維持を決定するなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。
日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは、基本的に「量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、1月21日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では、物価上昇率を14年度は+0.9%、15年度は+1.0%、16年度は+2.2%(消費税率引き上げの影響を除く)と予測しているものの、16年度の大勢予測の幅が+1.5%~+2.3%と大きく、2%の物価上昇率の達成に対して、委員の間でも意見が割れていることが伺えます。(10月時点の見通しに比べて、14年度は-0.3%、15年度は-0.7%の下方修正、16年度は+0.1%の上方修正)
次に長期固定金利です。2月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比横ばいの2.09%となっています。指標となる1月の長期金利が、概ね0.2%台で推移したことが要因と考えられます。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利は方向感の乏しい展開となりそうです。
長期固定金利の指標となる長期金利は、1月20日に初めて0.2%台を割り込み0.195%まで低下しました。常識的な水準からは、かけ離れた低さです。
その後は0.2%台で推移していますが、今までのような一方的な低下基調ではなく、0.3%台を付けるなどやや荒い展開となっています。
この要因として、さすがにここまで長期金利が低下した影響で、国債価格はかなり上昇しており、市場参加者の高値警戒感が強まっていることがありそうです。
実際に1月の金融政策決定会合では、15年度の物価見通しが引き下げられた関係で、追加緩和を予想する向きもありましたが、追加緩和が盛り込まれなかったため、長期金利は急上昇しました。(国債価格は下落)
今後も追加緩和の是非をめぐって、市場では神経質な展開が続くものと考えられますが、日銀が国債買い入れを続ける限りは、長期金利は0.2%~0.3%台で推移する見込みです。
この場合、来月の長期固定金利は、ほぼ横ばいになる可能性がもっとも高いと考えています。
なお、フラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、3日に発表の予定です。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
※このコラムの無断転載・引用はご遠慮願います
ブログメディア「BLOGOS」、「マネーの達人」
そこに参加させて頂いている、私のブログも是非ご訪問下さいませ。
「相談業務」のコラム
2023年4月のソニー銀行金利と今後の見通し(2023/03/16 07:03)
2023年3月のフラット35(2023/03/01 12:03)
2023年3月の住宅ローン金利と今後の見通し(2023/03/01 07:03)
2023年3月のソニー銀行金利と今後の見通し(2023/02/16 07:02)
2023年2月のフラット35(2023/02/01 12:02)