沼田 順(ファイナンシャルプランナー)- コラム「2013年7月の住宅ローン金利と今後の見通し」 - 専門家プロファイル

沼田 順
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沼田 順

ヌマタ ジュン
( 兵庫県 / ファイナンシャルプランナー )
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2013年7月の住宅ローン金利と今後の見通し

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相談業務 店舗タイプ 2013-07-01 07:00

 

 まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。6月10~11日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも金融政策の現状維持を決定するなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。


 日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは、基本的に「量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、4月26日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では、物価上昇率を13年度は+0.7%、14年度は+1.4%、15年度は+1.9%(消費税率引き上げの影響を除く)と上方修正しているものの、15年度の予測の幅が+0.9%~+2.2%と大きく、2%の物価上昇率の達成に対して、委員の間でも意見が割れていることが伺えます。


 次に長期固定金利です。7月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.07%低下の2.76%となっています。6月も金利の乱高下が続きましたが、中心レンジが0.8%台に多少低下したことが要因と考えられます。(ただし、中心となる固定10年は0.1%上昇しており、銀行側の金利設定の難しさを表しています)


 今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利は、中国の金融問題に留意する必要がありそうです。


 アメリカのQE3(量的金融緩和政策の第3弾)の出口戦略については、市場としても織り込みつつあり、アメリカの長期金利もだいぶ落ち着いてきました。(ただし、5日のアメリカ雇用統計の結果によっては、市場が不安定になる可能性もあります)


 また10~11日に開かれる、日銀金融政策決定会合についても、「市場の催促」に応じて、「政策を小出し」にすることは、黒田日銀の自己否定に繋がるため、最近は市場も期待しておらず、特段の影響はないものと考えられます。


 さらに、21日に投開票が行われる参議院選挙についても、自公で過半数が確実視されており、選挙通過後は政策継続期待から、市場の安定が期待できます。


 しかし、これらの要因に水を差しそうなのが、中国当局の規制を受けない「陰の銀行(シャドーバンキング)」の存在をはじめとした、中国の金融問題です。


 現在の世界市場は、中国の上海市場の動向に翻弄されています。中央銀行にあたる、中国人民銀行が声明などでなんとか市場の動揺を抑えようとしていますが、不透明要因が多く、押さえ込みに失敗すると中国発の金融危機が起きても不思議ではありません。


 以上を総合的に勘案しますと、中国の金融問題が沈静化すれば、世界市場は安定し、長期金利も多少上昇。一方で表面化するようなことになれば、世界市場は動揺し、長期金利も乱高下する可能性があります。


 ただし、現時点では中心レンジを0.8%台としての、小幅な変動に留まる可能性がもっとも高いと考えています。


 なお、フラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、2日に発表の予定です。 

 

沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)

 

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