2013年4月の住宅ローン金利と今後の見通し
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まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。3月6~7日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でもゼロ金利政策を全員一致で決定するなど、現在は金利を引き上げる環境にはありません。
日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは、基本的にゼロ金利政策を継続する考えですが、1月22日に公表した最新の政策委員の見通しの中央値では、物価上昇率を12年度は-0.2%、13年度は+0.4%、14年度は+0.9%(消費税率引き上げの影響を除く)としており、市場でもゼロ金利政策の長期化を予想する声が出ています。
次に長期固定金利です。4月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.11%低下の2.44%となっています。10年物の長期金利が0.5%台前半まで低下したことが要因と考えられます。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利は債券高(金利低下)がよりいっそう進行する展開となりそうです。
黒田日銀総裁の下で初めて開かれる、4月3~4日にかけての金融政策決定会合では、前回の私のソニー銀行の記事で指摘したような、大胆な金融緩和が行われる見通しです。
また、これに輪を掛けて債券高(金利低下)が進む要因として、キプロスの金融問題があります。今までのECB(欧州中央銀行)の姿勢は、全て税金で処理するというスタンスでしたが、今回はロシア人のお金まで税金で保護する必要はないとの論理から、銀行預金者にも一定の負担を求める、ベイルインと呼ばれるモデルが採用されました。
当初、このモデルはキプロスだけと見られていましたが、ユーログループの議長が、今後の危機解決モデルになるうると発言したことで、ユーロ圏でキプロスと同じような状態にある小国にも飛び火するのではないかという不透明感が、株価の頭を抑え、安全な債券投資に向かわせています。
このような状況を受けて、市場は量的緩和期の2003年6月を伺う展開になるのではないかと見ています。当時の利回りは10年債で0.430%、20年債で0.745%、30年債で0.960%と、全年限が1%を割り込む、異例な状況となりました。
今回は、まだそこまで金利は低下していませんが、日銀が超長期債の買い入れを積極化するスタンスを示していることから、今後は20年債や30年債の利回りが低下し、これが超長期固定金利の低下につながると見ています。
なお、フラット35の金利は月初の第2営業日にあたる、4月2日に発表の予定です。
沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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