辻畑 憲男(ファイナンシャルプランナー)- コラム「もし認知症になったら ~家族(民事)信託~」 - 専門家プロファイル

辻畑 憲男
住宅と保険。自らの経験を活かしたライフプランをご提案します

辻畑 憲男

ツジハタ ノリオ
( 東京都 / ファイナンシャルプランナー )
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もし認知症になったら ~家族(民事)信託~

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2021-12-24 13:45

  人生100年時代と言われるようになりました。長生きできるようになり、幸せなことも多いかと思いますが、リスクも多くなります。認知症になるというリスクもその一つです。認知症になり法律行為、手続きができなくなった場合に家族が困ることにはどんなことがあるでしょうか。「銀行からお金が下せなくなり、生活費、医療費、介護費の支払いに困る」「株式などを持っていた場合には取引ができなくなる」「賃貸経営をしていた場合には、賃借人とトラブルがあっても法的手段が取れなくなる」「会社の経営者の場合には、会社の経営が不安定になる」「相続対策ができなくなる」「不動産などの売却ができなくなり、介護資金などの準備ができないで困る」などが挙げられます。認知症になった時のためによく成年後見制度の利用を勧められます。成年後見制度には、「任意後見」と「法廷後見」があります。「任意後見」は、判断能力があるうちに財産管理や契約等を支援する任意後見人を選んでおけます。「法廷後見」は、判断能力が不十分になった時に法的に支援します。「補助」「保佐」「後見」があり、判断能力の程度により手続きなどができる範囲が違います。家庭裁判所が補助人、保佐人、成年後見人を選びます。ただ、成年後見制度では不動産売却や株式の売却などが難しく、上記の問題は解決しません。そこで、注目されているものに家族(民事)信託があります。家族(民事)信託とは、認知症等になりご自身で財産管理などができなくなった時に家族が財産管理や処分ができる制度です。家族(民事)信託は「委託者」「受託者」「受益者」からなります。「委託者」は財産の持ち主、「受託者」は財産を預かり信託の目的のために管理する人。一般的には息子、娘。「受益者」は信託財産から生じる利益を得る者。通常は「委託者」=「受益者」です。投資信託のような仕組みです。家族信託のメリットの一つは財産管理ができることです。賃貸でのトラブルが起きた時の訴訟や不動産売却、株式の売却など信託財産としたものについて財産の処分や管理ができます。また、遺言と違い生前に効力を発揮します。次世代以降の相続人指定もできます。よって事業承継で次の社長のあとの社長も指定できます。家族信託は認知症になった後に受託者が財産管理や処分ができるためにいざというときに柔軟な対応がとれますが、税務上損益通算ができなくなったり、毎年受託者は税務申告をしないとならなくなったりなどのデメリットもあります。家族信託で大切なことは、どの財産を信託したら良いのかをよく検討することです。一般的に全部の財産を信託するのは現実的ではないため、遺言書との併用が必要になってきます。

 

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