- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
Le tout tomate sur un sable, sauce légèrement moutardée et doigts de meringue
全部トマト! マスタード風味のソースとフィンガーメレンゲを添えて
10月10日 パトリック・テリアンシェフのデモ特別講座にて
今日はデザート編をお届けします。
「4つの構成要素すべてにトマトの風味を入れていきます」
トマトのサブレ、トマトのジュレ、トマトのメレンゲ、そしてトマトとバジルのソルベです。
トマトのメレンゲとサブレには、トマトの粉末poudre de tomateを使います。
これが先生がフランスから持ってきてくださったトマトの粉末。
日本にもありますが、むこう産のほうが味も濃そうです。
先日のビストロダンジュウでの食事会のときに、先生からトマトの粉末について説明を受けたとき(現物なし)、
「いいか、トマトの粉末はすり下ろしてメレンゲに混ぜ、メレンゲにふりかけて使う。あとで渡すから、密封してオーヴンの上に置いておくように」
と言われ、私は「はあぁ??」と思っていました。
「すり下ろすって?」
と思いつつも、私の聞き間違いかと思い、適当に「はーい」と返事をしておきました。てっきり「粉末状」だとばかり思っていたからです。
現物を見て、納得。粉末状のものをぎゅっと固めてブロックにしてあるよう。グレーターですりおろします。
フランスでもわりと最近の製品なのだそうです。
トマトでジュレを作り、トマトにバジルの香りを入れてソルベも作り、デモ終了。
ひとまずシャンパンで乾杯です。
本日のアミューズ・ブッシュ
「ラディッシュにはバターを添えてどうぞ! フランスではそうします」
「えぇぇ、バター!?」
「そうですよね、先生」
「うん、そう」
日本人にはなんとも不思議な感じがします(もっともフランスのラディッシュはぴりっと締まった味)。
プルーンのマーマレードとパルメザンのムース
みなさんが召し上がっている間に、まずウズラの盛りつけ。
どう考えてみてもおいしくないはずのない取り合わせ。一口、口に含んだだけで、贅沢なおいしさがぱっと広がります。
うずらも柔らかく、フォワグラとトリュフも相まってたまりません。
つぎにトマトのデザートも、溶けないうちにぱぱっと盛りつけます。
トマトのメレンゲのおいしかったこと! 後引くおいしさです。サブレもジュレももちろん。
さわやかなソルベが味を引き締めます。
マスタードが入った甘いソースも、「いったいどうなるのだろ」と思いつつ口に運ぶと、やはりなんともいえず不思議においしいのです。
印象的なデザートです。
先生もみなさんの間に座っていただいて、しばし歓談。
あっという間の楽しい3時間でした。
「さて皆様、今年も本当にどうもありがとうございました。こうやって皆さんにまた再会できて、ここで料理ができることは大きな喜びです」
今年で5回目。私たちも先生をお迎えすることができて、とても嬉しいのです。
「来年用に、もう次ぎの料理を考え始めています」
来年は牛肉の料理だと、聞きました。
「来年はもっと簡単で、家庭でも作りやすい料理にします」
いいえ、難しくても、おいしければいいのです(これは私だけでなく、後から聞いた、とある生徒さんたちよりの声でもあります)。
今年はベルソー(滋賀・伊吹町)の松田シェフの代わりに、お嬢さんの明奈ちゃんが手伝ってくれました。昨年のマダムと息子さんに続き、こうして引き続きサポートしてもらえるご縁をありがたく思います。
まずはご参加くださった皆様、そして準備や片付けを手伝ってくださった方々、写真をご提供くださった皆様、ありがとうございました。
みなさまのおかげで、今年も楽しく、無事終了することができました。感謝申し上げます。
塚本 有紀
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