- 中郷 洋次
- JIHLAVA & Co. イフラヴァ
- 兵庫県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
消費税がアップするので、住宅建設を考えている人は、
早く動き出した方がいいとここのところ言ってきたが、
実際、当事務所への問い合わせが、
消費税アップの国会可決と相前後して増えています。
潮目がかわったという感じです。
企業、いわゆる不動産会社やハウスメーカーはすでに消費税アップを見越して、
その前から用地を取得したり、施策を打ってきました。
たぶん、お盆明けころから本格的にキャンペーンを打ってくるでしょう。
とくにハウスメーカーが売りたいのは、スマートハウスと呼ばれる商品です。
これについては、別途やりましょう。
では、なぜ早く動き出せというのか、
今年、来年は、東北の復興もあるので、型枠工、鉄筋工、ALC工などの一部職人も、
すでに、不足傾向にあります。
日を経つごとに、建築費用は上がってきます。
実際あがり始めています。
そうなってくると、今度起こるのは、需供ギャップということです。
需要が明らかに、供給を上回ってきます。
この中には、前年の反動つまり、
昨年購入を見合わせている人も少なからずいます。
だから、ここまでの動き出しになっているものと思われます。
需供ギャップが起こってくると、建築会社は工事金額の大きなもの、
利益率の高い工事を優先するようになります。
これは、利益団体であるので当然のことでしょう。
同じ家を頼むのに、より高い金額で購入せざるを得なくなるということです。
さて、消費税の駆け込みが終わった後の話もしておきます。
消費税の駆け込み需要が終わった後、
前回の消費税アップの時もそうでしたが、
相当程度、需要は落ち込みます。
建築会社は、基本的に借入金経営にあります
(一部には、実質無借金経営の会社もあります)ので、
借入金を返すために、仕事がかならず必要になります。
中には、返済のためだけに、
あり得ない低額で受注する会社も出てくると思われます。
はたまた、倒産に追い込まれる会社も出てくるでしょう。
そうなりますと、場が荒れる!
まじめに経営している会社も、
借金まみれの会社と同じような目で見られ、
相対的に建築価格が下がります。
建築価格が下がるということは、
手抜き工事をする会社が現れたりする可能性があるということです。
こういう会社が出てくると、
我々のようにまじめにやっている会社が非常にやりにくくなってしまいます。
ゲームをするうえで、ルールを守らないのですから、
ゲームが成り立たなくなってしまうのです。
この状態を、場が荒れると表現しましたが、
いったんこの状態になると、立て直すのに相当な時間を要することになります。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
ゼネコンの間組と安藤建設の合併は、ここまで見越してのことなのです。
お知り合いの方で、信頼できる方がいらっしゃれば、
この時期に工事をすることでも結構ですが、
一般的には、落ちてからよりも、
昇る前と判断するのは、当然のことでしょう。
もし、疑問に思われることなどありましたら、メール等で質問ください。
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