- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
埼玉県川口市にてリフォームが始まった。Fさんの家は約11年ほど前、私が独立した当初にほとんど始めてといってよいくらいに私に仕事をさせてくれた方である。その当時は、リビングの壁に珪藻土を塗ったり、キッチンを入れ替えたりの工事をさせていただいたのだが、今回は洗面所とトイレの入れ替えに、シロアリの被害の復旧、そして屋根の葺き替えの工事をすることとなった。
屋根の工事の様子である。現状はカラーベストコロニアルというセメント系の屋根材なのだが、これを一度すべて下ろし、遮熱シートを施工する。その後通気層を確保し、断熱材がついているガルバリウム鋼板を葺く予定である。この工事により、屋根の断熱性能が格段に向上し、しかも重量が軽くなる為、耐震性も向上する。
古い住宅の工事では、ただ単にもともとあった性能を満足するだけではなく、断熱性や耐震性といった現代において強く求められる性能を新たに付加することを大切にしなければならないと考えている。しかも、なるべくなら改めての耐震工事をするのではなく、屋根の葺き替えのついでにここまで断熱性と耐震性が向上しましたよというほうが良い。限られた予算で、暮らしの場を確保するクライアントのことを考えれば、杓子定規ではいけないのである。