- 井門 隆夫
- 株式会社井門観光研究所 代表取締役
- 東京都
- マーケティングプランナー
対象:イベント・地域活性
- 宮崎 隆子
- (日本産精油スペシャリスト)
- 宮崎 隆子
- (日本産精油スペシャリスト)
佐世保の「時旅」に参加してきました。時旅とは、佐世保市観光コンベンション協会が昨年度から実施する現地発着旅行ブランド。
立派なガイドブックには、「杜氏と仕込むマイ日本酒」、「無人島で過ごす月あかりの夜」など、楽しそうなプログラムが満載。県民はもとより、遠く福岡から参加する方も増えてきたそうです。
私が参加したのは、「SASEBOナイトツアー」(1,000円)。金曜日の夜、路地裏の小さな駅に集合。ガイドの清水保穂さんが、赤提灯の路地へと誘ってくれます。ただ解説を聞くだけではなく、石畳のハートを探したり、クイズを解いたり、お饅頭をいただいたり、特別に(!?)米軍基地を通り抜けたり、あという間の1時間。ツアーの締めは、外国人バー。ドリンクオーダーをしたところでツアーは終了です。ま、その後も、清水さんも一緒に、任意参加の宴席は続くのですけれどね。
現地発着ツアーは、こんな1時間ものだってOK。むしろ、ちょっとした時間に参加できるツアーのほうが、誰もが気軽に申し込みやすいと思います。高知の旅館「城西館」が旅行業免許を取得して実施する、市場で朝食をいただく2時間ツアー、「朝げと市場体験」が同社のツアーで人気ナンバーワンというのも同様の事例でしょう。
また、佐世保「時旅」が優れているのは、数々の魅力的なツアーの存在だけではありません。実は、ツアーの企画もガイドも、市民の方が行なっているのです。つまり、「時旅」とは、佐世保観光コンベンション協会が胴元となった「旅のマルシェ(市場)」。催行の都度、企画した市民ガイドさんには、一定の報酬が支払われます。
企画もガイドも観光協会の職員や民間企業の社員がやってしまう方式でもよいのですが、収益の小さな現地発着旅行の場合、市民や事業者の「副業」としてやるのが現実的。そうした点で、佐世保「時旅」は先進的な事例と言えましょう。
大都市への観光プロモーションも大切ですが、市民の方が地元の旅を企画・ガイドできるようファシリテートするのもこれからの行政の役割なのだと思います。
(トラベルニュース3月25日号「井門隆夫のCS宣言」)
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