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旅館料理の法則とは

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「ざんねん!」な料理の写真

突然ですが、みなさん。
下の夕食の写真には、致命的な「ざんねん!」が3個所あります。

ヒント。これはビールでカンパイをしてから「10分後」の画像です。
「何を先に食べているか」「10分後なのに・・・」。
なんだか、分かりますか・・・?

さてさて、答えあわせとまいりましょう。
私が考える「残念な旅館料理の法則」が隠されています。

【答え①】
「肉を最初に食べている!」
これは一目で分かりますね。特に、ビールグラスの向こうにお酒の徳利が見えるように、実は(私)はお酒が大好き。呑ん兵衛だから前菜や小鉢からジックリやりたい!それなのに、肉を先に食べさせられてしまったのです。つまり、食事前に固形燃料の火をつけられてしまったのです。
追い打ちをかけるように「早く(肉を)入れないと火が消えてしまいますよ」と、部屋係さんの一言。それで「やむなく」肉を最初に食べてしまいました。

【答え②】
「ご飯とデザートが!」
左端に見えるのは、ご飯が入ったお櫃とデザート。開始10分なのにです。
「今日はお客様が少ないので(早いかもしれないけど)ね…」「冷めても美味しいお米ですから!」と部屋係さん。その米の品種さえも答えられなかったのに、です。
最初のビールも口をつけたばかりなのに、もうご飯とデザートとは…

【答え③】
「洋食の一皿が!」
見えづらいかもしれませんが右端の黄色い縁の平皿は、水っぽい小エビにイタリアンドレッシング(おそらく市販)がかかったサラダ…
この宿は、山間の有名温泉地にあって一泊二食(平日)で17,000円する宿。週末は2万円を超えるでしょうか。
なぜ、無理に、洋食を一皿付ける必要があるのか、不思議でなりません。

以上の答えが、あくまで私が考える「ダメな旅館料理の法則」の一例です。

【解説①と②】
部屋係さん発言を言い換えてみると「調理場も私も早く帰りたいので早く食べてください!」となります。お客様の好みのタイミングで火を付けたり、火焔(固形燃料)を取り替えたりしたくないのです。デザートまで出してしまえば、調理場も部屋係も早く帰れます。

すべて部屋係さんが悪いように見えますが、それは違います。料理には料理人の気持ちがのります。部屋係はその気持が理解できれば、さらに自分の気持ちをのせてお客様へ届けるはずです。では、料理人が悪いのでしょうか?それも違います。問題は経営者!?その点は次項で補足しましょう。

【解説③】
これは、旅行代理店に依存している宿の証拠です。
旅行代理店は大量に送客することで手数料を得る商売ですから「万人受けをし」「見栄えがする」料理を希望します。なので、地の物でもないのに、魚と肉は必ず加え、和食の調理人なのに洋食を出さなきゃならなくなるのです。

インターネットの普及により、宿側は直接集客が可能になりました。お客様側も選択肢が増えました。トイレや風呂といった衛生面や安全面の保証がある程度されている現代において「その宿にしかない個性」が人気の宿の条件にもなってきているのです。だから、自信をもって、その地の料理を出すのが良いと思うのです。

 

踊らされる経営者

ただ、これは、元をただせば料理人がダメなのではなく、部屋係さんがダメなのでもありません。あくまで、旧態依然とした旅館運営のシステム上の問題なのです。
なぜ、このような「ざんねん!」なことが起きてしまうのか… 調理場と部屋係さんが、早く帰りたがるのは何故でしょう。残業代が出ない労働条件かもしれません。でも、それ以上に「この宿を選んでくれて有難う」という気持ちを持っていないからでしょう。
経営者の姿勢が従業員に伝染するので、経営者にも問題があるのかもしれません。しかし、実は、経営者が悪いわけでもないのです。それは、旅館をとりまく社会全体での責任です。

ホテルと違って、旅館にはかなりの繁閑差があります(平均稼働率はホテルよりかなり低い)。そのため、キリギリスのように「稼げる時には稼げ」と高めに料金を設定するので、コスパが低く感じられてしまうのです。平日が自力で埋まらないから、旅行代理店にお願いせざるを得なくなってしまうのです。そして、見た目をよくする必要から、いろいろな料理を混ぜこぜにし、人件費を減らすために料理を犠牲にしてしまうのです。

 

問題は繁閑差

経営者も、先々のことを考え、「何度も足を運んでくれるような」お客様と関係を築きあげていくべきだとわかっているのですが。繁閑差を原因とする悪循環が宿を蝕んでいってしまうのです。そして今、ネット時代になり、ますます週末偏重が進んでいってしまっています。どこかでこの悪循環を止めなくてはいけません!

とはいえ、現場でできることはあるはずです。部屋係も調理場も、その土地出身の方でないかもしれません。でも、自分がその道で生きていこうとしているなら、業界のことを考えるような視野を広げられないものでしょうか。経営者も、最前線の部屋係や調理場の声に耳を傾けたならば、「ざんねん!」なことを一つずつ減らせる工夫ができるのではないでしょうか。

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(旅館・民宿プランナー)
株式会社井門観光研究所 代表取締役

元ホテリエならではの現場目線で、宿のイノベーションをお手伝い

宿業は「好きでないとできない」言われるほどつらい商売。でも、地域経済を支える大黒柱。マーケットの時流を読み取り、元ホテリエ、旅行業務取扱管理者、温泉ソムリエ、唎酒師という表も裏も知り尽くした立場から、集客できる宿泊施設のお手伝い致します。

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