食事は、生物が生きていく上でもっとも基本的で大切なものです。人間の三大欲求と言われるものに「食欲」「睡眠欲」「性欲」がありますが、そのもっとも大事な部分である食事。古来から「医食同源」という言葉もあるとおり、食事で補い切れないものを摂取するのが薬です。
毎日の食事の中で健康の基礎ができていれば、その人はその上に大きな幸せを築くことができるでしょう。私のモットーは「ごはんを毎日おいしく食べている人に不幸な人はいない」です。
忙しい現代人の毎日の中で規則正しく栄養のバランスのとれたおいしい食事をとることは中々困難です。そこで、私はせめて、「おいしく食べる」工夫を心がけ ています。「おいしい」という感情は、義務感でただ胃の中に放り込むよりも、栄養の吸収を促進してくれることでしょう。大切なのは、欲求を満たすことでな く、消化、吸収、代謝することなのです。
☆ごはんをおいしく食べる三つの工夫。
1.味覚には集中力がいる。
→「いただきます」で気持ちを切り替えて、よく噛んで食べる。
2.空腹は最高の調味料。
→間食をなるべくしない。
3.食卓を共有できる人と食べる。
→おいしさの確認。コミュニケーションツール。
私が実践しているのは上記のシンプルな三つの工夫です。
「1.味 覚は集中力がいる」についてですが、味覚というのは、繊細ですぐに消えてしまいます。外部から入ってくる毒性を判断するために常に新しい情報をキャッチし て、同じ刺激を忘れてしまうようにできているのです。そのために、「いただきます」で気持ちを切り替えて意識を集中して、よく噛んで味わいます。今まで見 落としてきた味覚を発見できるかもしれません。よく噛むことは、唾液の分泌を促し、消化を助けるだけでなく、満腹感を刺激して過食を防ぐことにもなりま す。
「2.空 腹は最高の調味料」たとえ満足のいく食事にありつけなくても、空腹であることによっておいしく感じることができます。そのためになるべく間食をせずに、胃 腸が吸収する準備万端の状態で食べるようにしています。水分がいっぱいの鉢植えに水を加えても吸収せずに根が腐ってしまうのと同じです。
「3.食卓を共有できる人と食べる」について、一人で味わうよりも「おいしい」という感情を共有できると、もっとおいしく感じることができます。「おいしいね」ということを確認し合えることで2倍3倍にも味わうことができます。それだけでなく、落ち着いてコミュニケーションがとれる大切な時間にもなります。
上記の3つでも日々実践することは難しいかもしれませんが、1、2くらいまでなら少し意識して実行することができます。おいしくごはんを食べている幸福そうなあなたをみて、一緒に食事する人も幸せにしてあげられるかもしれません。
鍼灸師
小林哲也
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