- 松山 淳
- アースシップ・コンサルティング コンサルタント/エグゼクティブ・カウンセラー
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:人材育成
もらったら返したくなる「返報性の原理」
スーパーや「デパ地下」に行きます。
特に食品売り場がそうですが、
様々な「試食」をすることができますね。
狭い通路を歩いていると「どうぞ、どうぞ」と
元気な店員さんが、さっと、つまようじに刺した
ハムやら肉やらケーキの切れ端などを差し出してきます。
子どもと一緒にいると、子どもにもすかさず、上げますね。
つい、それを手をとってしまい、食べる。
食べている間、店員さんは商品の説明をする。
この商品の「売り」は何で、
どういった点が優れているのか、などなど・・・。
すると、
「なかなかおいしいし、
値段もそんな高くないから、買ってもいいかな・・・」
などという心理がほんの少しだけ湧いてきます。
「何かをもらったら、何かを返したくなる」
これが心理学でよく言われる
★返報性の原理
ですね。
無料サンプル、お試し期間、キャンペーン・プレゼントなどなど、
企業が行うマーケティングには、この「返報性の原理」が核にあります。
ですが、「試食」の例で実際に「買ってもいいかな」
と思うかどうかは、実際には、もっと様々な要因があるでしょう。
例えば、仮に試食したとしても、店員さんの態度が冷たく、
ぶっきらぼうで不快を感じたら、すぐにその場を去りたいと思います。
また、食べたものが、おいしくなかったら
そもそも「買いたい」などと思いません。
また「向こうも商売だ!試食は当たり前だ!」
と割り切っている人には「返報性の原理」は働かないでしょう。
ですから、心理学の法則や原理は、
ある一側面を言い当てているに過ぎません。
そのことは、もうご存知の通りです。
ただ、そんなことを理解しながら、デパ地下に行って、
あまり押しつけがましくない懇切丁寧な接客をされ、
試食をすると(それは私の性格的な要素が大きいのでしょうが)
「何か、この人から買わないと悪いのでは」
といった感情がムクムク湧いてきます。
心とは、ホント不思議なものです。