中小企業金融円滑化法での中小企業に対する救済 - 借金・債務整理全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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東京都
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閲覧数順 2016年12月08日更新

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中小企業金融円滑化法での中小企業に対する救済

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債務整理

①円滑な中小企業金融

金融機関は,中小企業者に対する信用供与については,当該中小企業者の特性及びその事業の状況を勘案しつつ,「できる限り,柔軟にこれを行うよう努めるものとする」(中小企業金融円滑化法第3条)とされていますから,金融機関にとっては法的義務ではなく,努力義務です。

②貸付条件の変更等

ア 中小企業者から事業資金の債務の弁済に係る負担の軽減の申込みがあった場合等における金融機関の対応

 金融機関は,当該金融機関に対して事業資金の貸付け(以下,単に「貸付け」といいます。)に係る債務を有する中小企業者(第2条第2項に規定する中小企業者であって,※次の各号のいずれにも該当しないものをいいます。)であって,当該債務の弁済に支障を生じており,又は生ずるおそれがあるものから当該債務の弁済に係る負担の軽減の申込みがあった場合には,当該中小企業者の事業についての改善又は再生の可能性その他の状況を勘案しつつ,できる限り,当該貸付けの条件の変更,旧債の借換え,当該中小企業者の株式の取得であって当該債務を消滅させるためにするものその他の当該債務の弁済に係る負担の軽減に資する措置をとるよう努めるものとするとされています(中小企業金融円滑化法第4条1項)。 

金融機関の取る対応

当該貸付けの条件の変更

旧債の借換え

当該中小企業者の株式の取得であって当該債務を消滅させるためにするもの(DES,代物弁済の受領など)

その他の当該債務の弁済に係る負担の軽減に資する措置

 

「できる限り,・・・努めるものとする」という条文からして,金融機関が返済猶予を必ず行わなければならないモラトリアム法ではなく,努力義務を定めたものと解されます。

 貸付条件変更等については,「当該中小企業者の事業についての改善又は再生の可能性その他の状況を勘案しつつ」と規定されています。

したがって,改善又は再生の可能性もない場合には,条件変更等に金融機関が応じなくてもよいと考えられます。そうすると,債務者側にとっては,事業の改善・再生の可能性を具体的に数字や方策を経営再建計画に盛り込んで金融機関に申し込むことがポイントと考えられます。

 「貸付条件の変更」としては,貸付元本の弁済猶予や弁済期限の延長,弁済額の軽減・免除,金利負担の減免などの弁済条件の変更,弁済期限の到来した貸付の借換えなどが考えられます(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律に基づく金融監督に関する指針Ⅱ-1-1(2))。

 例えば,毎月元利返済の約定を元本の返済を猶予し毎月利息のみ支払う条件に変更するなどといったことが考えられます。

 また,返済充当の順序の変更,例えば,遅延損害金,利息,元本の順に返済を充当するのが通常ですが,債務者に有利になるように,まず元本から充当していくといったことが考えられます。

 「当該中小企業者の株式の取得であって当該債務を消滅させるためにするもの」は,債務の株式化(DEBTEQUITY SWAP)をさします。

 債務を返済できないので,株式に振り替えることによって,負債を減らし,破錠の危機に瀕した企業の救済のために使われます。

 債務者の貸借対照表上では,負債の部の借入金が減少し,資本の部の資本金が増加します。

 会社法では,弁済期の到来した借入金のデット・エクイティ・スワップは,検査役の検査を不要とし,かつ,現物出資の評価証明制度の対象外としています(会社法207条9項5号,284条9項5号)。ただし,弁済期の到来していない借入金については弁護士等の評価証明が必要です(会社法207条9項4号,284条9項4号)。

 DESについては、別のコラムで詳述しています。

 

※次の各号のいずれにも該当しないもの

① 第2条第1項第3号(信用協同組合),第6号(中小企業等協同組合及び中小企業等協同協同組合連合会)及び第8号から第13号(農業協同組合,農業協同組合連合会,漁業協同組合,漁業協同組合連合会,水産加工業協同組合,水産加工業協同組合連合会)までに掲げる金融機関

② 金融機関の子会社(金融機関がその総株主等の議決権(総株主又は総出資者の議決権をいいます。第4号において同じ。)の過半数を保有する会社をいいます。),銀行の親会社(銀行の総株主の議決権の過半数を保有する会社をいいます。)その他の金融機関と※1政令(施行令第3条1項)で定める特殊の関係のある者

③ 大会社(最終事業年度に係る貸借対照表の資本金額が5億円以上,または,最終事業年度に係る貸借対照表の負債合計額が200億円以上のいずれかに該当する株式会社)

④ 大会社の子会社(会社がその総株主等の議決権の過半数を保有する他の会社をいいます。)その他の大会社と※2政令で定める特殊の関係のある者

 

 

※1 政令(施行令第3条1項)で定める特殊の関係のある者は,次に掲げる者です。

①  金融機関の(注2)子会社等

②  銀行を子会社等とする(注1)親会社等

③  銀行を子会社等とする親会社等の子会社等(当該銀行及び前2号に掲げる者を除く。)

④  金融機関(注3)関連会社等

 

(注1)施行令第3条1項に規定する「親会社等」とは,他の法人の財務及び事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいいます。以下,施行令第3条2項及び施行令4条第2項において「意思決定機関」といいます。)を支配している法人として主務省令で定めるものをいいます(施行令3条2項前段)。

(注2)施行令第3条1項に規定する「子会社等」とは,親会社等によりその意思決定機関を支配されている他の法人をいいます。この場合において,親会社等及び子会社等又は子会社等が他の法人の意思決定機関を支配している場合における当該他の法人は,その親会社等の子会社等とみなされます(施行令3条2項後段)。

(注3)施行令3条第1項に規定する「関連会社等」とは,法人(当該法人の子会社等(施行令第3条2項に規定する子会社等をいいます。以下施行令第3条3項において同じ。)を含む。)が,出資,取締役その他これに準ずる役職への当該法人の役員若しくは使用人である者又はこれらであった者の就任,融資,債務の保証,担保の提供,技術の提供,事業上の取引等を通じて,財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる他の法人(子会社等を除く。)として主務省令で定めるものをいいます(施行令3条3項)。

 

※2 政令(施行令第4条1項)で定める特殊の関係のある者は,次に掲げる者です。

大会社の(注1)子会社等及び(注2)関連会社等

 

(注1)施行令4条1項に規定する「子会社等」とは,大会社によりその意思決定機関を支配されている他の法人として主務省令で定めるものをいいます。この場合において,大会社及び子会社等又は子会社等が,他の法人の意思決定機関を支配している場合における当該他の法人は,その大会社の子会社等とみなされます(施行令4条2項)。

(注2)施行令4条1項に規定する「関連会社等」とは,法人(当該法人の子会社等(前項に規定する子会社等をいいます。以下施行令4条3項において同じ。)を含む。)が,出資,取締役その他これに準ずる役職への当該法人の役員若しくは使用人である者又はこれらであった者の就任,融資,債務の保証,担保の提供,技術の提供,事業上の取引等を通じて,財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる他の法人(子会社等を除く。)として主務省令で定めるものをいいます。(施行令4条3項)。

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