中国外観設計特許の類否判断 (第1回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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対象:特許・商標・著作権

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中国外観設計特許の類否判断 (第1回)

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中国特許判例紹介:中国外観設計特許の類否判断 (第1回)

~類否の判断主体~

河野特許事務所 2012年2月24日 執筆者:弁理士 河野 英仁

 

                              本田技研工業株式会社

                           無効宣告被請求人、一審原告、二審上訴人、再審請求人

                                          v.

                           知識産権局専利復審委員会

                                    一審被告、二審被上訴人、再審被請求人

 

1.概要

 外観設計特許(日本の意匠に相当)に係る訴訟、または、無効宣告請求において最大の争点となるのは外観設計の類否判断である。外観設計特許の権利範囲は同一または類似の物品について同一または類似のデザインに及ぶ。外観設計の権利範囲については司法解釈[2009] 第21号第8条にて以下のとおり規定されている。

 

司法解釈[2009] 第21号第8条

 外観設計特許にかかる製品と同一または類似する種類の製品において、登録外観設計と同一または類似する外観設計を採用した場合、人民法院は、権利侵害と訴えられた外観設計は専利法第59条第2項に規定される外観設計特許権の権利範囲に属すると認定しなければならない。

 

 また現有設計と同一または類似の物品について同一または類似する外観設計は無効理由を有することとなる(専利法第23条)。

 

 このように外観設計特許権者にとってみれば、民事訴訟において権利行使する際には、類似範囲をできるだけ広く主張してイ号製品の侵害認定を試み、逆に無効宣告を請求された際には、類似範囲ができるだけ狭くなるよう主張し現有設計との差別化を図る必要がある。

 

 本事件では外観設計特許に対し、無効宣告請求が提出され、復審委員会、北京市第1中級人民法院及び北京市高級人民法院共に、外観設計は相互に類似するとの判断をなした。最高人民法院は再審において類似判断の主体、及び、現有設計と相違する部分についての判断に誤りがあったとして、復審委員会の審決と、北京市第1中級人民法院及び北京市高級人民法院の判決とを全て無効とした。

 

 

2.背景

 本田技研工業株式会社(原告)は01319523.9号(以下、523特許)“自動車”の外観設計特許権の特許権者である。523特許は2001年5月30日に出願され、2002年2月13日に公告された。523特許はSUV(sport-utility vehicle、スポーツ用多目的車)タイプの外観設計であり、参考図1に示すとおりである。

 

参考図1 523特許の図面

 

(1) 石家庄双輪自動車股份有限公司のSUV

 双輪公司(以下、被告)は、2003年9月“来宝”と称するSUVの開発を進めていた。参考図2は来宝の外観図[1]である。

 

参考図2 被告のSUV

 



[1] 新浪財経HPより(2011年11月16日)

http://finance.sina.com.cn/chanjing/sdbd/20100426/09337825554.shtml

 

(第2回へ続く)

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