室内環境1 - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

村上 治彦
一級建築士事務所 村上建築設計室 代表
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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室内環境1

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建築豆知識

断熱の不思議、いっぱい。


断熱・気密には不思議がたくさんあります。
まず一つ目は高気密を確保するときの防湿気密シートです。
高気密を確保するために防湿気密シートを施工します。

高気密を謳っている住宅はこのシートの施工が
完璧なことが前提にされています。
でも、完璧な施工は出来るのでしょうか。

材料の性能と施工の結果の興味深いデータがあります。
屋根の防水に用いるアスファルトルーフィングの材料自体の透湿抵抗
(湿気を通さないことを示す数値 高いほど通しにくい)は「300」です。
それが施工の影響で変わっていきます。
完全施工と言われる状態でも「137」、雑な施工の場合はなんと「6」です。。

防湿気密シートのデータは無いのですが、近いものがあると思っています。
湿気を止めるというのはかなり大変なことです。
隙間なく、慎重に施工しないと、少しでも隙間があれば、
そこから湿気が壁の中に入っていきます。
その壁の中に入った湿気が今度は防湿気密シートがある為、
住宅の部屋のほうへ戻る事ができずに
壁の中で結露して水になってしまうからなのです。

この防湿気密シートは壁全体に細かい部分まで、
隙間なく張るのは至難の業です。
でも、施工方法を見るとそこには不思議があります。

シートを柱等に留めるときに、タッカーというホチキスのようなもので留めます。
完全に穴が開きます。それで大丈夫でしょうか。
その後をテープでふさぐことはまずしません。
次はシートとシートのつなぎ目は専用のテープでつなげます。
そのテープで何十年も気密を確保できるのでしょうか。
換気扇、コンセント、電気の線、電話の線などいろいろな穴があります。
壁に絵を掛けるときにクギやビスを使えば穴が開きます。
完全な気密は確保できるのでしょうか。

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