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稲垣 史朗
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閲覧数順 2016年12月03日更新

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間違いだらけのカーテン選び ~カーテンの値段 後編~ 開眼!

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現在オーダーカーテンの市場では国内カーテンメーカーの商品、海外からの輸入品、量販店などが独自で企画製作している商品、と大まかに分けることができます。独自企画商品は独自の店舗でしか販売していないので他との比較はできません。それに対して国内カーテンメーカー品と輸入品は様々な場所で販売されています。今回は最も流通していると思われる国内メーカー商品の価格についてお話したいと思います。

国内メーカーのオーダーカーテンを扱っているほとんどの小売店は”常時”大きな割引率を表示して宣伝と販売をしています。そのため消費者はここでは何割引き、あのメーカーは何割引きなどと割引のことばかりが注目されます。これは一見消費者にとってすごくお得なようにも聞こえますが実際はそうでもないので注意が必要です。常時割引をしているということはその価格でもビジネスが成り立つということなのです。簡単に言ってしまえば元々の定価(価格設定)が高すぎるのです。なぜそのような価格設定になっているかと言いますと、カーテンは工務店やハウスメーカーなど家を売る人達が家に関連する物だからと言ってついでにカーテンまで販売しているからです。構図としては下記の【その1】のとおりです。

買う側も家を買うプロセスの中で販売業者との信頼関係を既に築いているのでパッケージとして勧められるがままに購入することが未だに多いです。カーテンは本来、洋服や食べ物のように自分の着たいもの、食べたいものは自分で選んで買えるものであるにも関わらず、なぜか人に頼んで用意してもらうという不思議な習慣が定着しています(させられているとも言えます)。

【その1】メーカー→卸業者→工務店、ハウスメーカー、設計事務所等→インテリアコーディネーター等⇒消費者
このように消費者の手に渡るまで何段階もあってそれぞれの段階でビジネスが成り立つ図式になっているのです。

しかし同時に多くの小売店(量販店や専門店)でも同じ商品を消費者に直接販売しています。その際の基本的な図式は次のとおりです。

【その2】メーカー→卸業者(ない場合もあります)→小売店⇒消費者
圧倒的に段階数が少ないですね。

ですから定価で販売すれば当然その分利益率は大きくなります。しかし市場原理と言うものはそう甘くはありません。競争の原理が必ず働くので値下げの余地があれば販売側は可能な限り価格を下げて自店で購入してもらおうと努力するものです。それに輪をかけてメーカーは専門知識があるなしに関わらず少しでも販路を広げる為にカタログを無料であちこちに配布し取り扱い業者を増やしています。結果として大幅な割引率を表示して実際の利益は僅かという価格競争のなれの果てのようなことが実際に起こっています。

それだけならまだしも、その方法ではカーテンというものは安くて割引が当たり前だという間違ったイメージを作ってしまい、価格ばかりが注目されカーテン本来の楽しみ方やインテリアの良さというものが消費者に全く伝わらなくなっています。その証拠に日本の家のインテリアやモデルルームは多少の違いはあってもほとんど似たようなものになっています。別のコラムの"白神話”とも関連しています。本来商品の良さや楽しみ方を消費者に伝えるのがメーカーの役割ではないでしょうか?

結果として消費者は設定価格の高い商品を割引により、価格相応に戻し、それを少し安く買えるというのが今の国内メーカー品のオーダーカーテン市場の現実です。

【その1】のルートも各段階でそれ相応のサービスを受けているならばその対価として発生する費用は間違っておらず適正ではあります。しかし右から左へ流すだけでマージンが発生することもないとは言えません。しかも本当にカーテンに対しての深い見識と提案力があるカーテンの専門家はこの中では非常に少ないと言えます。

【その2】のルートでは専門店ではカーテンの専門家がいますし量販店では専門家がいない代わりに価格での優位性があるでしょう。このルートでも採寸から取付まで全部消費者任せのお店から反対にそれらを全て請負い、トータルコーディネイトまでするお店があり、それに伴って価格が異なってくるのは当然ご理解頂けますよね?

どちらが価格だけでなく、サービスも含めて得なのかは人それぞれの価値観ではあります。

高い価格設定であってもメーカー間に差はあります。消費者のために良かれと思って定価を低めに設定するメーカーもありますがそうすると割引できる範囲も小さくなってしまうのです。売る側も50%offとうたえるところを30%offとしか言えなくなってしまい他メーカーと比べて売りにくくなります。買う側も最終的な支払額が同じでもこっちのメーカーは50%offだからあっちの30%offのメーカーよりお得!って間違った認識をしてしまいます。実際は同クラスの商品だったりするのですが割引率だけが独り歩きするケースは非常に多いです。でもよくよく考えるとメーカーも小売店も消費者も誰もあまり得はしていないですよね。得をする人がいるとしたら何もしないで右から左へ流すだけで利益を得る人くらいです。

このように流通形態と販売方法がきちんとコントロールされていないが為に消費者にとって非常に混乱と誤解を招く結果となっていますしカーテンの価格というものが非常にあやふやなものと理解されてしまい、不信感さえ与えています。最近では自分が使うカーテンは洋服等と同じでこだわりがあれば専門店で、価格優先なら量販店やネットでとうまく使い分けて自分にとって何が一番得なのかを気付き始めている消費者の方々も増えてきていますがまだまだメーカーの価格戦略と販売方法に振り回されている消費者も非常に多いです。

一方輸入商品はもともとそのような何段階もの流通経路を想定していないので大幅割引ができるところは少ないですが、輸入コスト等もあるとは言え価格は比較的高い物となっています。同じカーテンなのですが国内メーカーとは全く性質の違ういわば正反対の商品になっているので更にややこしいのです。大幅割引ができない上に輸入品のためメーカーが全て面倒を見てくれるとことも少なく、手間暇がかかり取り扱う側に縫製も含めた専門的な知識が必要なため取り扱っているお店も限られてくるのです。専門外の人達が扱いたくてもビジネスと商材両面から見ても安易に、片手間に扱える商品ではないということです。

これらのことを消費者の皆様にきちんとご理解頂きたく、住まいづくりに役立てて頂きたいと思います。

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