早わかり中国特許:第2回 中国での権利化のコツ(第4回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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早わかり中国特許:第2回 中国での権利化のコツ(第4回)

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早わかり中国特許

~中国特許の基礎と中国特許最新情報~

第2回 中国での権利化のコツ(第4回)

河野特許事務所 2011年8月26日 執筆者:弁理士 河野 英仁

(4)出願人別ランキング

 表1は2010年度における発明特許出願数ランキングであり、表2は2010年度における発明特許取得件数ランキングである。

 

表1 2010年度における発明特許出願数ランキング

 

表2 2010年度における発明特許取得件数ランキング

 

 特許出願件数の上位は中国企業が占める結果となった。外国からの出願は日本、米国、ドイツ、韓国の順に多く、日本企業の健闘ぶりが光る。

 

4.中国企業の出願件数の増加理由

(1)政府の資金援助

 中国政府はイノベーション型国家の建設を図るべく積極的に特許出願・権利化を行うよう各企業への働きかけ、および、啓発活動を全国各地で展開している。特に資金面で余裕のない中小企業および科学研究機構に対し外国出願費用を助成している。2009年中国財務部は「外国への特許申請を援助するための特定項目資金管理暫定規則」を制定した。当該規則によれば、中小企業、事業単位および科学研究機構は申請により一定条件下で、最大50万元(615万円)PCT出願費用の援助を政府から受けることができる。この政府による支援活動も中国の出願増加の一因となっている。

(2)2大巨頭の特許争い

 広東省深セン市に本拠を置く民営の通信機器会社である華為(ファーウェイ)技術と中興通信(ZTE)による特許戦略をモデルに他の中国企業が特許権利化活動を活発化させている。1980年代後半に創業した両社は米国および欧州で特許訴訟に巻き込まれた。これに懲りた両社は中国のみならず各国での特許の権利化・訴訟を積極的に展開している。

(3)都市間の競争

 国土の広い中国では都市間での特許出願数・登録特許数争いも熱を帯びている。毎年各都市の経済力・文化力・技術力等に関する統計が発表される。各国からの投資はこの統計を参考にその額を決定する傾向にあることから、地方政府も統計の数字・都市間順位にこだわる。これも特許出願件数増加の理由の一つである。

(4)中国政府の明確な目標設定

 中国政府の明確な数値目標設定、また目標達成に向けた徹底した活動も日本にない中国の強みである。特許に関する中国政府の5-20年内の目標は以下のとおりである。

 

—  ・第11期全国人民代表大会第4回会議にて採択された「第十二期五ヵ年計画(十二五)綱要」に基づき、1万人あたりの特許保有件数を3.3件まで増加させる。

—  ・2015年までに発明,実用新型,外観設計の三種類の年間出願件数を現在の120万件から200万件にまで増加させる。

— ・ 2020年までに百万人あたりの発明特許権保有件数と外国発明特許出願件数を倍増させる

— ・ 審査期間を現行の特許まで24ヶ月を22ヵ月以内に短縮する。

— ・ 拒絶査定不服審判の審理期間を12ヵ月以内に短縮する。

— ・ 無効宣告請求の審理期間を6ヵ月以内に短縮する。

 

中国特許出願急増の背景

(1) 政府の資金援助

(2) 2大巨頭の特許争い

(3) 都市間の競争

(4) 中国政府の明確な目標設定

                                                  以上

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