庭づくり・家づくりのちょっとした良い話。vol.12<震災後のお話> - エクステリアデザイン - 専門家プロファイル

江藤 繁
有限会社エストア 代表取締役社長
エクステリアコーディネーター

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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庭づくり・家づくりのちょっとした良い話。vol.12<震災後のお話>

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  1. 住宅・不動産
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住宅事情 家・住宅について

家に対してのメンテナンスや付属品の設置、
防災関連の設備を確保することが重要であると話してきました。

これはハード面のことと言えるかも知れませんね。
ではソフト面では何が言えるのでしょうか?

それは日々の住み方、暮らし方を検討することと言えるでしょう。
不要な物に囲まれて生活し続けることが震災に強いとは言えませんし、
風通しの良い環境作りも大切なことでしょう。

各地域によって住宅事情と言うものは違ってきます。
例えば沖縄などの台風の影響が大きい地域では木造住宅の場合は瓦屋根が多く、
住宅を上から抑え込むように重たい瓦を置いて強風に耐える様になっていますし、
場合によっては鉄筋コンクリート造も一般的かと思われます。
地震の多い地域では基本的には屋根材を軽くする傾向があり、
頭が重い住宅が地震で揺らされるとさらに大きな揺れを生むことになり、
自身の耐久性がなくなり、自壊することになるため屋根部を軽く設計される事が多いです。

津波に強い住宅としては、生活の場所を1階から2階に移動し、
1階部は波が来る方向に大きな開口部を設け自動車の車庫にして内部を大きな空間にする。
そして反対側の壁にも大きな開口部を設け場合によっては大きく開口出来る様にした住宅設計が
有効であったり、鉄筋コンクリート造の住宅などが津波には強い家と言えるかも知れませんね。

震災はこうしていろいろな種類があり、
地域によって対処の方法や重点的に対策しなければいけないものも違うので
一律で話せない事もあるかと思いますが、
通常時に快適に暮らせる住空間は震災後、少しは快適なのではと思います。
通常時に暮らし難い住空間が震災後、快適になることはまず無いでしょう。
ですから日々の暮らし方が大切になるのです。

不要なものは人の行動範囲や必要なものを隠してしまうデメリットがありますから、
日頃から捨てる習慣を身につける事が大切になるのです。
この基準はいろいろと有りますが私は3年ルールです。
3年間使用しなかったものは基本的に必要の無い物と判断して、
処理することが賢明と言えるのではと思うのです。

また、家の中の風通しを良くする事も大切で、意外と空気の流れが
良くない時などは扇風機等を利用して空気の流れを作り、快適な住環境を整えます。
震災時には電気が無い場合には扇風機が使えませんが、
日々の暮らしの中で風通しに注意しておくことが出来れば、
それぞれの窓の開け方によって空気の流れが少しずつ生まれる事を学ぶはずですし、
季節や時間により空気の流れが違う事も解っていれば尚利便になります。

こうした風の流れを学ぶことで夏の暑さ対策や
冬の有効的な換気方法を見つける事も出来るでしょうし、
室内で暖をとる時の換気方法も訳無く行えることが大切なのです。

薪ストーブ等が設置出来れば寒さ対策や調理等にとても有効になる事でしょう。
水は雨水から用意し薪ストーブで水を煮沸して飲み水に変えたりなども出来、
大変有効に働く事でしょう。

『サバイバルが出来る住宅』は何かに頼らない住宅を目指す家と言う定義ではなく、
工夫に対応出来る家の事を定義し、震災にだけ強い家では無く、
住み手が想像する出来事に柔軟に対応出来ることを指します。
家は呼吸と同じ様に特定な時にだけ利用出来れば良いのではなく、
瞬間瞬間利用出来なければ意味が無いのです。

家は人生を包み込む器です。
人の成長も老化も全て包み込み、
悲しい時も楽しい時もそこに有り続けるものです。

人生を共に過ごす家を有効で便利な家にするのも、
不便で無意味な物にするのも住み手の思い一つです。

1000年に一度と言う震災を体験している今こそ住宅に対する思いを今一度新たにし、
自らの人生、家族の人生を守るために出来ることを精一杯考えて行きたいと思います。

長長と書き連ねて来ました<震災後のお話>ですが、少しでも家に対しての意識が
変わったならば幸いです。
<震災後のお話>は一応ここまで…。

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