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対象:特許・商標・著作権
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中国特許判例・審決紹介:中国におけるソフトウェア/ビジネス関連発明の保護適格性(1)(第2回)
~コンピュータ・ソフトウェア発明の保護適格性と審査~
河野特許事務所 2011年8月9日 執筆者:弁理士 河野 英仁
復審請求人 マイクロソフト公司
2.背景
(1)特許の内容
マイクロソフト公司(以下、請求人という)は2003年6月25日「プログラムに対しメッセージを発行するシステムおよび方法」についての発明特許出願(出願番号03145242.6)を行った。
本発明はXMLドキュメントを編集するアプリケーション上で実行される処理方法である。アプリケーション上で、XML関連の各種アクションが発生した場合、単一のイベント通知メッセージが発行される。参考図1はイベントが発生した際の状態を示す説明図である。
参考図1 イベントが発生した際の状態を示す説明図
XML関連のアクションには、移動、挿入または削除が含まれる。参考図1は削除の例を示している。例えばXML要素<object> に関し、<object>Rewarding employment<object>が記載されていたとする。その後XML要素<object>が削除された場合、削除アクションに伴い単一のイベント通知メッセージが発行される。そして、複数のアクションに対して単一のイベント通知を行うことにより、アドオンアプリケーションを作成する際の作業負担を軽減することが可能になるというものである。
(2)請求項の内容
請求項は1~23まであり、争点となったのは請求項1および20である。請求項1は以下のとおり。
1.第1プログラムから第2プログラムへメッセージを発行する方法において、
XMLドキュメントに対して行われたアクションに関連するイベントの発生を確定し、
アクションのタイプに関わらず、単一のメッセージを新規作成し、
該新規作成するステップは以下を含む:
XMLドキュメントに対して行われたアクションに関連するイベントの発生を示す識別子フィールドを設定し、
前記アクションに関連する第1XMLノードを識別する第1パラメータフィールドを設定し、
前記アクションに関連する第2XMLノードを識別する第2パラメータフィールドを設定し、
複数のアクションタイプの中から選択された一つである発生アクションのタイプを識別する第3パラメータフィールドを設定し、
前記第1プログラムから第2プログラムへ前記単一のメッセージを発行する方法。
請求項20(システムの請求項)は請求項1(方法の請求項)とカテゴリーのみ相違する実質的に同一の発明である。
(3)審査官の判断
審査官は、方法請求項1は専利法第25条第1項第(二)項に規定する「知的活動の法則および方法」に該当し、保護適格性を有さないと判断した。またシステムの請求項20についても同様の理由により専利法第2条第2項[1]にいう技術方案に該当しないとして2009年3月13日拒絶査定をなした。なお、請求項12は創造性[2]を有さないと判断された。
出願人はこれを不服として復審委員会へ復審請求を行った。
[1] 専利法第2条第2項 発明とは、製品、方法、又はその改良について出された新しい技術方案をいう。
[2] 創造性は日本の進歩性に対応する。専利法第22条第2項
(第3回へ続く)
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