特許法改正 - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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特許法改正

~オープン・イノベーション化への対応~

河野特許事務所 2011年8月2日 執筆者:弁理士 廣田 由利

近年、社外技術を活用して研究開発や製品化を行うオープン・イノベーションが進んでいます。このような環境変化に対応するため、 I.ライセンス契約の保護・共同研究等における発明者保護の強化、 II.ユーザーの利便性の向上、 III.知的財産を巡る紛争の解決の迅速化・効率化 を目的として特許法が改正されました(公布:平成23年6月8日、施行:公布の日から1年以内で、政令で定める日)。以下に、具体的に説明します。

1.ライセンス契約の保護の強化
  これまで、特許権者からライセンス(通常実施権等)を受けた者が、このライセンスを特許庁に登録しなかった場合、特許権を譲り受けた第三者から差止請求され、事業継続が不可能になるおそれがありました。そこで、通常実施権等が、特許権を譲受した第三者に対抗できるように法改正されました。

2.共同研究等の成果に関する発明者の適切な保護
  共同研究・共同開発が一般化する中で、共同発明者の一部によって特許権が取得されるケースが発生していました。そこで、共同出願違反に相当する出願が特許されたとき、特許を受ける権利を有する者は、その特許権者に対して特許権の移転を請求することができるように法改正されました。

3.ユーザーの利便性向上
(1)中小企業等に対する特許料減免期間が3年から10年へ延長されます。また、意匠登録料(11年目以降)が半減されます。
(2)発明者が学会発表等、自らの行為により発明を公表した場合(内外国特許公報掲載は除く)、公表の態様を問わず、公表日から6ヶ月以内に出願して、公表を証明する書面を提出したとき、新規性を失っていないとみなすように法改正されました。

4.紛争の迅速・効率的な解決のための審判制度の見直し
(1)無効審判により特許が無効にされ、特許権者がこの審決を取り消すために訴訟を提起し、特許権の内容を訂正する訂正審判を請求した結果、無効審決が取り消された場合、無効審判が再開します。このとき、特許が再度無効にされて、無効審決取消訴訟が提起されるケースがあり、紛争処理の効率化を図ることができませんでした。そこで、無効審決をしようとする場合、無効審決の予告をし、特許権者に特許権の内容を訂正する機会を与えることにし、代わりに、訴訟の提起後は訂正審判の請求をすることができないことになりました。
(2)特許権侵害訴訟で特許権者の勝訴判決が確定した後に特許の無効審決が確定した場合、特許権の侵害者が判決に対し再審を訴えるとき、特許権者の事業活動を安定化するために、侵害者は無効審決が確定したことは主張できず、それ以外の内容を主張することになりました。
(3)権利内容を迅速に確定するために、特許権の内容の訂正は請求項毎に行うことができるようになりました。
(4)従来、無効審判の審決の確定後に、何れの者も同一の事実・同一の証拠に基づいて無効審判を請求することはできませんでしたが、紛争処理を適正化するために、当事者及び参加人以外の第三者は同一の事実・同一の証拠に基づいて無効審判を請求することができるようになりました。

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