最終処分場は現地確認の対象か? - 企業のコンプライアンス - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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閲覧数順 2016年12月04日更新

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最終処分場は現地確認の対象か?

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法令改正 2010年 廃棄物処理法改正

6月3日に配信したメールマガジンを転載します。




5月27日のNEW環境展記念セミナーは無事終了しました。


会場にお越しいただいた方には、私の新著「ぜーんぶわかる廃棄物処理実務」が無料で配布されましたので、新著を元に講演を2時間半行いました。

「ぜーんぶわかる廃棄物処理実務」 株式会社日報出版 ¥2,200



5月27日のセミナーでは、非常に重要な質問をいただきました。


重要と言っても、5月27日に初めて受けた質問ではありません。


正確には、講演後に毎回いただいているような気がします。


いつもその場で回答すると、翌日には質問を受けたこと自体をすっかり忘れてしまうのですが、今回は新著のお披露目であったためか、1週間後の今でも質問を受けたことを覚えておりました(笑)。


講演後に毎回いただく質問であるということは、メルマガ読者の皆さんにも共通の悩みであると思われますので、今回は、その質問の内容「最終処分場は現地確認の対象か?」を解説します。



まずは、現地確認の正確な定義から


廃棄物処理法には、「現地確認」という単語は一言も書かれていません。
廃棄物処理法で「現地確認」について触れられている箇所(第12条第7項)を簡略化すると、次のようになります。


「事業者は、産業廃棄物の処理を委託するときは、(委託先業者の)産業廃棄物の処理状況を確認し、産業廃棄物の発生から最終処分が終了するまでの間、産業廃棄物の処理が適正に行われるよう必要な措置を講ずるように努力しなければならない。」


つまり、廃棄物処理法が、事業者に対し「努力しなさい」と言っているのは

・委託先業者の処理状況を確認すること  と

・発生から最終処分されるまでの間、適正処理に必要な措置を講ずること

の2点です。



私が、上記の努力義務のことを「現地確認」と言っているのは、
「処理状況の確認」の基本は、実際に処理業者の事業所を訪問し、どんな処理が行われているかを、現地で確認することだからです。


さて、ここで冒頭の質問に戻ります。
「最終処分場は現地確認の対象か?」


廃棄物処理法の努力義務としては、最終処分場についても「処理状況を確認する」ことは必要です。


しかしながら、中間処理しか委託をしていない排出事業者の場合は、
中間処理業者の契約先である最終処分場の現地確認をする必要はないと考えています。


もちろん、時間と費用に余裕がある場合は、直接の契約対象ではなくとも、排出事業者が最終処分場を訪問することも有意義ですが、通常はそこまでやる必要はありません。


実際問題、排出事業者の「うちの産業廃棄物はどこに埋まっていますか?」という質問には、誰も答えることはできないからです。


そのため、最終処分状況の確認を行う際は、廃棄物処理法の条文を忠実になぞり、「処理状況の確認」に徹する方が合理的です。


具体的には、委託先の中間処理業者に対して、

「御社が残さ物の処分を委託している最終処分場の現地確認結果を見せてください」と頼んだり


もう既に情報公開が義務付けられている、最終処分場の維持管理情報をインターネットで閲覧したりすれば良いでしょう。


特に、中間処理業者に対して現地確認結果の公開を求めると、中間処理業者自身の意識の高さを知ることができますので、一石二鳥ですね。


例えば、「いやあ 最終処分場は一回も訪問してないんですよ」という中間処理業者の場合は、違法行為をしているわけではありませんが、危機管理意識が甘いと言わざるを得ませんので、取引先としては信頼性が落ちることになります。



次号では、収集運搬業者や中間処理業者ごとに、どこに注意して現地確認すれば良いかを解説します。