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林仲宣「地方分権の税法学」税務経理協会2011年

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雑感 書評

統一地方選挙第2ラウンドで東京は騒がしくなっていますが、

地方自治の本旨が活かされる政治がなされることを願っております。

そのためにも、苦言を呈したいと思い、一冊の本を紹介します。

 

林仲宣「地方分権の税法学」税務経理協会(平成23年1月刊)

 

林先生は、地方税にも造詣が深い実務界出身の税法学者で、

実務研究者を標榜する私にとって目標とする先生のお一人です。

 

本書は「税」という地方税職員を主な対象とする雑誌に掲載された

林先生の論文のうち8本が収録されています。今日紹介するのは、

本書第8章「地方分権と税制改革」(初出「税」22年6月号)の1節。

 

「地方分権の推進においては、地方自治体に求められる責務は、

首長を中心とする行政に求められることが第一義であるが、

立法の分野においてもその重要性を忘れてはならない。

地方分権が推進されれば、条例案の作成に対する行政の責任は

いうまでもないが、その条例案を審議する議会の責任は、

今まで以上に重いものになる。

従来から横行している議会対策として根回し等ではなく、

議会も行政任せにするのではなく、積極的に条例案の作成に参画する

ような意気込みが必要となってくる。

それが地方分権の理念であり、地域住民への責任である。」(109頁)

「従来から地方議会は、納税者に代わって租税の無駄遣いを監視する

機能があるとされてきた。しかしながらそれは十分機能していない。

やはり原因は議員の勉強不足に他ならないのである。

裁判所や中央官庁が、議会の権威を軽視する傾向があるとするならば、

その背景にある行政任せの議会運営を改善しなければならない。

地方分権の下では、その方策が税源移譲か独自課税にしろ行政も議会も

手さぐりで条例の立案・制定を進めなければならない。

そこでは行政と議会の協調も重要ですが、地方分権時代に地域住民重視の

税制を構築するためには、対立も構わないと考える。

対立するためには両者の勉強が必要だからである。」(110頁)

 

河村名古屋市長や橋下大阪府知事らが率いる地域政党が、既成政党への

不信感もあってか支持を伸ばしているが、両者に共通するのは、

現状打破のために出血を伴う大改革を実行しようという強い意思。

若干の無理を感じざるを得ない場面もありますが、現状維持では

将来がないことを見据えて、改革しようというのですね。

 

しかし、意思だけでは実現はほど遠い。

実行するための障壁を取り除くための立法措置が必要であれば、

制定・改廃をしなければならない。それが法治国家なのだから。

だから勉強して頂く必要があるのです。

かつてタレント議員で初当選時に「勉強させて頂きます」と発言され、

本当に勉強したから、大臣や党首としても活躍された方がいたように。

 

東日本大震災の甚大な被害からの復興においても同じことが言える。

中央から指示が来るのを待っていたら、困るのは被災した住民。

できることから行動しつつ、財源確保のためにも条例の制定・改廃を

並行して行い、中央からの支援を待つべきだと思うのですが。

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