- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:新築工事・施工
IHクッキングヒーターとガス調理器。
どっちが良い?
と言う話につきものなのが、IHクッキングヒーターの電磁波に対する不安です。
私が安全と考えているかどうか、は後述するとして、まず、メーカー側の一般的な主張は、およそ下記のようなものです。
【IHクッキングヒーターの構造】
・ヒーター内部に、銅線をグルグル巻きにした「コイル」と呼ばれる回路がある。
・コイルは、電流を流すと周囲に磁力線が発生。
・そこに金属などの導電性物質を近づけると、その部分に渦状の電流が流れる。
・金属内にこの電流が流れるときに熱が発生。
(だから電気を通しにくいアルミ鍋などは使えない物が多いんです)
【IHクッキングヒーターと電磁波】
・IHクッキングヒーターは、通常の家電製品と同様、「商用周波数帯」の電磁波に加え、
「加熱周波数帯」の電磁波も出している。
・WHO(世界保険機構)では、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)で、電磁波の
安全性に関する国際的ガイドラインを示している。
・そのガイドラインによれば、家電の周囲に出る電磁波である「商用周波数帯」では、
100μT(マイクロテスラ)以下、IH調理器の加熱で出る電磁波である「加熱周波数帯」では、
6.25μT以下なら人体に悪影響は無い、としている。
・家電業界団体の日本電機工業会では、IHクッキングヒーターから出る商用周波数帯の
電磁波を5μT以下、加熱周波数帯の電磁波を2μT以下としている。
・つまり、いずれの周波数帯でも、ICNIRPの基準以下なので心配ないとの立場。
ということです。
ただし、メーカーも、「絶対に安全です」とは言っていません。
特に心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方や、妊婦さんなどには、専門医に相談の上…とか、電磁波を遮断するエプロンの紹介などで、悪く言えば逃げ道を作っています。
そもそも、電磁波の悪影響の代表格は、電磁波過敏症。
でも、症状がめまい・倦怠感・嘔吐といった、比較的不明確な症状のため、因果関係を証明出来ないというのが現状のようです。
そこに、電磁波の危険から家族を守ろう!という新たなビジネスも展開されているわけですが、何分、電磁波も、そしてその症状も目に見えないため、眉唾物が多い感じもします(私見ですが)。
で、私の結論としては、確かに、
・直火を使わない分「安心」
・掃除・お手入れが楽
・火を使わないので室内空気が汚れず、内装制限も受けないので仕上げに木が使える
・火力が強い(調理条件による)
等のメリットと、
・ガス調理器具より高い
・電磁波に対して絶対に安全とは言い切れない
・使用出来る鍋が限られる
等のデメリットがあり、
それを知った上で選ぶのが、やはりベストと思われます。
そして、今回のテーマである「電磁波」に対しては、心配な方は昨日もありましたが、実際にショールームなどで体験してみることをお勧めいたします。
その時点で、多少でも
「気分がすぐれないような気がする」
という場合は、ガスにするか、電磁波をカットする方法を模索する、
というのが、結論です。
施工:株式会社マクス 代表取締役 鈴木克彦ブログ: 【頑張れ四代目日記】
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