起業成功の方程式は本当にあるのでしょうか? - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

福岡 浩
有限会社業務改善創研 代表取締役 業務改善コンサルタント
神奈川県
経営コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月03日更新

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起業成功の方程式は本当にあるのでしょうか?

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いわゆる「バブル崩壊」があった20年くらい前に、経済の低迷が続く中で、「事業成功のコツ」とか「経営再生成功の方程式」、「成功する起業」等々、成功という言葉をキーワードとした著書が多かったように記憶しています。景気が後退局面に入り世の中全体が景気の浮上を模索している状態にある時には、前述のようなテーマの本が書店の店頭を賑わすようです。

最近でもリーマンショック以降、突然の景気後退からなかなか抜け出せない状態が続いています。失業率も横ばい状態が続き、起業を考えている人を対象とした研修やセミナーも何となく「成功」をキーワード化したテーマが多くなっているように感じます。

さて、書店で売られている成功の秘訣本の類は、本当に参考になり書かれているように成功するのでしょうか。新規設立会社の統計などでは、起業して1年以内に60%が倒産し、5年以内に80%が倒産するというデータがあります。起業しようとする人の多くが事業成功のハウツー本を読んだり、高額な参加費を取る同様のセミナーや研修会に参加しても失敗の確率が高いのはなぜしょうか?

自動車や家電メーカーなどの製造業が、軒並み事業の縮小や後退を迫られて大幅なリストラを進めた結果、大量の余剰人員を産み出し、派遣労働者や期間工などの失業者が増えました。失業した人の中には、起業を試みる人もいて、藁をもつかむ思いでセミナーに参加したり本を買って読んだりしますが、結局、残念な結果を迎えてしまいます。

 状来有望な業界だと思われ、時折、私に介護事業起業を相談される方もいますが、そのほとんどは失敗する可能性が高いと感じてしまいます。本を読んで成功例を学んでも、高額なセミナーで起業成功の方程式を伝授されても、予想以上に上手くいかない事例の方が多いのはなぜでしょうか?

 私なりに言えることは、起業に成功した人の事例は参考になるが、成功した人とその事例を参考に起業しようとする人とは、起業する時期、場所、資金調達方法などの様々な条件が違い、その人の経歴、経験、知識、性格なども違います。それらの違いによって、セミナーや本の事例通りに起業のプログラムを進めても失敗することになるのです。

 最近、リマスター版のCDが発売されたビートルズは、歴史に残る偉大なロックバンドでした。彼らがデビュー前に演奏していたのは、チャックベリーやプレスリーのコピーだったそうです。要するに先人のモノマネをしながら、技術を磨き徐々にオリジナリティを身につけた結果、ビートルズサウンドが確立されたと言えます。ジョンやポール、ジョージ、リンゴ以外の別の4人組が同じことをやっても、同じ結果が得られるでしょうか。

世にトヨタ方式を解説した本は多数出版されていますが、それを熟読してトヨタと同じかそれに近い成功を成し遂げた企業経営者がどれほどいるのでしょうか。

 成功の方程式を学ぶことは無駄ではないが、成功の確率が格段に高まるわけでもなく、成功するだろう、成功するばずだ、といった思い込みが先行し、その方程式は効果を発揮しないまま、すべてが終わることにもなります。

 それならば、むしろ失敗事例を学ぶ方が、やり方によっては効果的ではないでしょうか。「こうやって失敗しました」とか、「これをやったら、失敗してしまいました。」「これを知らなかったから失敗しました。」という失敗の事例が意外に役立つことがあります。しかし、それらの事例にはなかった全く新しい失敗を犯すこともあるかも知れません。それは、事例とは違った経営環境へ変化した時などに起こり得ることです。

 起業や経営の成功を方程式に頼ることには限界があります。また、その方程式といわれる方法論が1つではなく多数あっても、それらにあてはまらないこともあります。従って、起業成功の方程式や事業成功のコツというものを否定しないまでも、それがすべてではなく、ほんの少し参考にする程度でしかないということでしょう。その類のセミナーや研修に多額の参加費を払って、貴重な時間を費やすだけの価値があるかどうかはその当事者が決めることですが、費用対効果はそれほど期待できるものではないということだけははっきりしています。

 なお、誤解がないように申し添えますが、「事業成功のコツ」とか「経営再生成功の方程式」、「成功する起業」等々、成功という言葉をキーワードとした著書には、事実が書かれていて著書そのものには何ら問題があるものではありません。

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