ビジョン、理念を超えて大事なもの 日本代表チームから考察 - 経営理念・社是・社訓 - 専門家プロファイル

荻野 淳也
株式会社ライフスタイルプロデュース エグゼクティブコーチ、ビジネスコンサルタント
ビジネスコーチ

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:経営コンサルティング

寺崎 芳紀
寺崎 芳紀
(経営コンサルタント)
寺崎 芳紀
寺崎 芳紀
(経営コンサルタント)
寺崎 芳紀
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月18日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

ビジョン、理念を超えて大事なもの 日本代表チームから考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 経営コンサルティング
  3. 経営理念・社是・社訓



「目標やビジョン、理念を超えて大事なもの。」



こんにちは!
荻野淳也です。


前回のメールレターは、サッカー日本代表、パラグアイ戦の直前でした。
ベスト8を予想した内容でしたが、残念でしたね。

敗れはしましたが、前回書いたように「チームはフロー状態に入っている。」
ということは、試合後の選手の様子、言葉を見ても、そのとおりだと
いえるのではないでしょうか?

パラグアイ戦とその後のチームの状態にわたしたちは、「何か大事なもの」
をもらい、感動をしていました。


岡田監督は、就任当初から、「ベスト4を目指す」、「世界を驚かせる」
といっており、今回はその「ベスト4」が代表チームとしてのビジョン
であり、目標でありました。


でも、そのベスト4は、遠く及ばない結果となり、ビジョン、目標の
達成という意味では、叶わなかった。
それでも、なぜ、監督も選手たちも、「最高のチームだった」とコメントし、
わたしたちは、感動をもらったのでしょうか?


この「フロー状態に入ったチーム」から「日本中の人々が感じた何か」が、
実は、無意識のうちかもしれませんが、岡田監督が目指したものであった
のではないかと、勝手に推測しています。


当然、スポーツであり、勝負の世界ですから、負けよりも勝ちにこだわり、
勝たなくてはいけないと思います。

ですが、勝ち負けよりも大事な「何か」がある気がしてならないのです。
それは、これまで言われてきたような、プロセスとか、努力とか、
そんなものではありません。


パラグアイ戦のあと、ほとんどの選手たちの口から出た
「最高のチームメイトだった」「あと少しこのチームで試合がしたかった」
といったコメントや駒野選手をかばうチームメイトの様子、
「すべての責任は自分にある」という岡田監督のリーダーとしてのあり方、
長谷部選手のゲームキャプテンとしての凛とした姿など。

組織、チームとして、大きな出来事を経験、乗り越えてきた先にある、
お互いの絶対的な信頼感や一体感、つながり、そして、そこから
生まれてくる至福感、喜び、楽しさ、笑顔。また、これらのプロセスの中
から得た成長や進化。

はたまた、外部にいある人がそうした組織、チームに触れたときに、自然と
感じてしまう感動や共感。

本当は、こういったものこそ、最も大事なものなのではないでしょうか?

目標やビジョンを言語化して、掲げ、真剣に目指すことも重要。
だけど、それだけになってしまい、最も大事なことが失われてしまっては、
本末転倒だということ。


わたしたちが仲間たちと発信している「幸せな会社」というテーマも、
実は、本質はサッカー日本代表チームが味わったような会社、組織、
チームづくりだと考えています。


売上、利益は、会社を流れる「血液」として、常に循環すること、
つまり、キャッシュフローは、永続的な事業経営として、必須のことでは
あるけども、それがすべての目的、目標となっては、本末転倒で、何の
ための組織なのか疑問が出てしまいます。
(上場企業を中心に、多くの会社でそれが起こっているのですが。)


言語化されたビジョン、売上、利益の目標の達成を目指しつつ、
日々の経営の中でどういった状態の組織がつくれるか、どういった状態の
社員がいるか、が本質的なこと。
この「どういった状態」とは、言葉にすると、「幸せな会社」、「幸せな社員」
ということになります。

でも、「言語化された状態」「言語化できる状態」が大事なのではなく、
その状態に浸り、組織のなかで感じられる「空気感」、社員が感じている
「感情」こそが大事なのです。


日々の経営で、組織がどういった空気感を感じているか、社員がどういった
感情を感じているか?



「岡田監督と考えた『スポーツと感性』」
(志岐幸子著、日本経済新聞出版社、2008年)
からの岡田監督のコメントを引用します。

「俺の理想とするサッカーというのは選手が目を輝かせていきいきと
躍動しているようなサッカー。勝てないときのミーティングで言ったことが
あるけど、『俺、指導者やっててお前らの笑顔が見たい』って言った。
俺がそんなこと言うはずないんだけどポロッと出てきた。
『あ、でもそうだな。俺、こいつらが優勝して喜ぶとか笑顔でやっている姿
とかそういうのを見たいんだな』って言ってから気がついた。」



「目標やビジョン、理念という存在も、実は、最終目標ではなく、手段であり、
その先にあるもの、つまり、本質的には言語化できない空気感、感情こそ、
大事な目指すもの」なのではないでしょうか?


それこそ、これからの時代の
「組織をひっぱるリーダーが目指すべきもの」なのだと考えます。


以上

 


「経営者、ビジネスリーダーにおくる
自分らしく生きれば、人生も会社もうまくいくメールレター」
http://archive.mag2.com/0001023763/index.html

このコラムに類似したコラム

賃金500万円以上未払いの疑い 運営団体を書類送検~ケアマネタイムスより 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2021/01/13 08:00)

経営者の結果責任 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2020/11/10 08:00)

専門家活用の目的その①「現組織では改革を受け入れ実行が難しい」 小澤 康宏 - 経営コンサルタント(2017/07/24 14:25)

帝王学を学ぶチャンス! 中野 博 - 経営コンサルタント(2014/07/21 06:51)

会社全体が頑張れる時 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2013/10/11 08:52)