- 漆原 智
- 株式会社アーバンプロジェクト 代表取締役
- 神奈川県
- 建築家
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
なんだ、うす汚れた蔵だな。なんて思わないでくださいね。
たぶん、造られた当初は、黒ひかりしていて、鏡のように人の顔も写りこんでいたことでしょう。
漆喰の最高ランクの黒漆喰仕上げなのです。
知る人ぞ知る、現在ではなかなか再現するのも難しい代物です。
今頼んだら、お値段も目が飛び出てしまいます。
漆喰に混ぜる墨も高級で、手に入りにくいと思います。
神経を研ぎ澄まして、調合し、塗った後も、何度も何度も磨きこみます。
最後は、黒ひかりして作業している職人さんの顔が映るまで、辛抱強く作業した結晶なんです。
わびとさびの世界なのでしょうね。
江戸の時代も、黒は高級で粋な色と思われていたようです。
豪商は競って、このような建物を建てたのでしょうね。
時代とともに、いい具合の劣化は、見ていてもこころがワクワクしませんか。
新建材には無い、味のある風情ですね。