- 渡邉 松男
- 株式会社松岡建築設計事務所 代表取締役社長
- 建築家
対象:住宅設計・構造
昨日も、父のふるさとにある、代々続く材木商にお邪魔してきた。
広大な敷地には、数百年も前からストックしてある資材がある。
歳をとったせいか、ソコに出かける事を楽しみにし、
ソコに佇むだけで、なぜか心が落ち着くのである。
数年前まで意識してなかったけれど、
弊社の建築部門も『日本一の工務店』に
なれたらいいなと考え始めていた。
それは、あるきっかけなのだけれど、
よくよく考えてみると『日本一!』って、
なにをもって『日本一!』なのかと考え込んでしまう・・・。
娘がまだ生まれもしない古い昔に、
母方の叔父は、デュセルドルフで企業を営むドイツ人に請われて
茶室を造りに渡欧したことがある。
それも二度も出かけている。
確かに、その時には『日本一の大工!』なんて叔父の事を尊敬した。
だけど、上には上がいるのだろうから、
頂点にいる大工に会ってみたいとも思ったものだった。
安井杢工務店さんとか、中村外二工務店さんとかも
『日本一の称号』を得ていると言っていいのだと思う。
業界紙を踊らせるような『工務店』もそうだろうし、
『建築業界(特に住宅)』のモラルアップと活性化に努力する
工務店の『オヤジ』さんたちもそう呼んでいいと思う。
また、『名工』と呼ばれる大工が、
年に一棟程度しか請け負わないような仕事ぶりも
『日本一の工務店』と呼んでいいと思う。
就寝前、一人静かにお祈りをする少年がいる。
家族の足しにと、新聞配達をする少年がいる。
弟と自分の学費の足しにと、ファーストフードでバイトする女子高生がいる。
そんな彼らも『日本一の少年少女』だと思う。
だけど、『日本一』になることだけが目的だけではないし、
かといって、そうなる事である種の『社会貢献』ができる。
弊社の場合は、せめて『現場清掃の日本一』になりたいものだ。