Low-eガラスの使い方 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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Low-eガラスの使い方

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設計の作法 大きな木の下の家
住宅の設計の仕事をしていると、お客さんが土日が休みであるため、
どうしても土日に打ち合わせ、ということになる。
すると僕らは平日に休みを取ればいいのだが、
平日は現場も動いているし、色々と問い合わせもあるから
結局、いつ休みを取っていいのか分からない、
というのが、実情である。

しかし、今日は久しぶりに打ち合わせもなく、ポッカリと休みになった。
突然、休みになると、意外と何をしていいのか分からないものである。

それで今日は寂しいかなコラムでも書く事にした次第。

「大きな木の下の家」は、前回、サッシについてお話ししたので、
今日はガラスについて。

最近は断熱住宅が多くなったので、断熱サッシにLow-eガラス
というのも当たり前になってきた。

Low-eガラスは、ガラス面に金属膜を張って断熱効果を高めたものだが、
使い方は考え様である。

まず、Low-eガラスには2種類ある、ということを知っている人は少ない。
Low-eガラスには、断熱タイプと遮熱タイプがあり、北国では断熱タイプが、
首都圏などの温暖地では遮熱タイプが主に使われている。

最近の首都圏の新築住宅はモダンが流行って、軒の出、庇がない家が多いが、
こういう家には確かに遮熱タイプがお薦めである。
しかし、遮熱タイプは冬の暖かい日差しを取り込みたい時にはマイナスに働く事になる。

私の場合は、夏の日差しはできるだけ軒の出、庇で遮り、冬の日差しを取り込むために
Low-eガラスは使わないことが多い。
使うとすれば、北側の窓に断熱タイプを使用する。

さて、この断熱タイプと遮熱タイプ、どこが違うのか? と言えば、
断熱タイプはペアガラスの内側のガラスに金属膜が張られ、
遮熱タイプは逆に外側のガラスに張られている。

勘のいい方はすぐに分かったと思うけど、
Low-eのペアガラスを裏返せば、断熱タイプになったり、遮熱タイプになったりする、
という話しである。