したがって研究の方向は、いまある治療理論を適切に組み合わせていくためのシステムを構成することにあります。第一に生理学的治療とバイオメカニクス的治療をいかに使い分けていくかということがあります。第二に、その両者の接点をつかむことです。
いま私の持ち駒は、漢方医学を背景とした生理学的治療法である鍼灸による経絡調整法と、解剖学を背景とするバイオメカニクス的治療法である徒手医学、自律神経と耐性神経系の神経生理学を背景とした生理学的治療法であるカイロプラクティックです。
これらをどう組み合わせていくか。患者さんの状態が、なにを中心にこわれているかにより、どの方法を選択するのかが決まります。そこで病態のカテゴリー化が必要になります。生体に現れる異常をどうカテゴライズするかというメタ理論の構築です。メタ理論の材料には、進化論、発生学、組織学などがあり、それらをうまく統合して生命活動を階層化したものを用いることを考えています。
吉川祐介ウイケアカイロプラクティック