- 須藤 利究
- 有限会社RIKYU・コンサルティング 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
読んでいただけることに、感謝します。
さて、引き続き銀行に受けのいい決算書の話をしましょう。
経営者や財務担当の方、今日も決算書のご用意お願いします。
今日は前回予告したゴルフ会員権や保証金などについてお話したいと
思います。
『今回は社長と私の会話形式でお送りします。』
利究「社長さんゴルフはおやりなります。」
「そうですか。大好きですか!!」
「好きな方多いですよね。かく言う私も大好きですけど」
「社長、ゴルフ会員権はお持ちですか?」
「3ヶ所法人で所有」・・・ですか」
「統計的にいうと3ヶ所の内、1ヶ所は破綻したゴルフ場になるのですが?」
社長「2ヶ所倒産している。」(耳) 以下 利究=究 社長=社と略します。
究 「統計を上回っていますね」
社 「いやなこと言うね。僕のせいじゃないだろう」
「ゴルフ場の経営がおかしいんでしょ。」
究 「そ、そうですよね(汗)」
「ところで決算書のゴルフ会員権の金額は5000万円位計上されて
いましたよね?」「倒産した所はもう特別損失で処理されています。」
社 「いや、まだそのままだよ。」
究 「倒産した2ヶ所の預託金はいくらですか?」
「4000万円ですか。」その分は資産から引かれて、・・・
「あれ、“社長”4000万円を引くと債務超過になってしまいますよ。」
社 「プレーはできるのだから価値はあるだろう?」
究 「相場が立っていればですけどね。けれど相当金額は落ちるはずですよ。」
「帳簿上は預託金となっていますので、預託金は戻ってこないなら帳簿から
落とすのが原則ですよね。」
社「それしたら大幅赤字になるよ。そんなことしたら銀行はお金貸さなくなるよ」
究 「最近は銀行との取引は順調ですか?」
社 「・・・余り順調とはいえないわな?」
究 「まずは銀行に処理方法を相談するべきですね。銀行は倒産したゴルフ場や
会員権相場を把握していますので、相談に載ってくれると思いますよ。」
社 「そうだな。いつまでも放っておけないからな。」
ところで話は変わりますが、
究「保証金はこの事務所の賃貸保証金ですよね。」
「保証金の償却規定はないですか?」
社長
「あるよ。解約時半分しか戻らないかな」
究「ふ〜ん。そうですか?」
「銀行に賃貸契約書見せたことあります。」
社「見せた記憶はないけどな・・・余り自信がないな」
究「この事務所の家賃80万円でしたよね。ちょっと保証金高くないですか。」
「ま、まさか、株の信用取引の保証金なんてことは、ハハハないですよね(冷汗)」
「社長、黙ってないで、もしかしたらそうなんですか?」無言でうなずく。
「この株下落でだいぶやられちゃいました? お気の毒に」
「なんてのんき気なこと言っている場合じゃないですよ」
「早くに個人に切り替えるなどして下さい。」
「不足分は個人預金などで補って下さいよ。」
「投資はあくまでも個人のお金で、できれば長期投資で、デイトレーダー
みたいなことをしていると本業に差し支えますから」
言うまでもなく、ゴルフ会員権も帳簿価格と時価との差額、賃貸保証金も
内容によっては減額の対象となります。
それと株式投資はあくまでも個人で、会社のお金を使っての投資は銀行の心象は
良くありません。
銀行が結構細かく見ていることや実態修整の方法を知ることにより、
銀行に評価される決算書に近づくことを願っております。
不明な点は、お気軽にメールでお問い合わせ下さい。
今は各勘定科目の銀行の実態修整方法をしばらく説明して行きますが、
先々は財務分析比率などで銀行のスコアリングの点数を上げる方法も
少しずつ書いて行きたいと思います。ご期待下さい。