札幌納棺協会による産廃無許可運搬事件 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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閲覧数順 2016年12月04日更新

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札幌納棺協会による産廃無許可運搬事件

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委託者(排出事業者)の責任は?




 医療機関における廃棄物管理の問題
 故人の遺品は廃棄物になるのか?
 の続報です。
 
 河北新報 東北のニュース
 「仙台支店長を起訴 札幌納棺協会の産廃無許可運搬」より転載

 札幌納棺協会(札幌市)による廃棄物処理法違反事件で、仙台地検は3日、同法違反の罪で、協会と仙台支店長(43)=仙台市青葉区=を起訴した。仙台区検は同日、同じ罪で、仙台支店焚上(たきあげ)場長(40)ら従業員3人を仙台簡裁に略式起訴した。3人への求刑はそれぞれ罰金50万円。

 起訴状などによると、支店長ら4人は共謀し2006年4月5日と同年7月4日、廃棄物の収集、運搬の許可を受けていないのに、仙台徳洲会病院(仙台市)と東北厚生年金病院(同)から有償で産業廃棄物のホルマリン1252リットルを引き取り、泉区の仙台支店倉庫などに運んだとされる。

 支店長と場長は07年10月16日〜08年4月17日、青葉区の焚上場で無許可でホルマリンを焼却処分したほか、支店長ら3人は07年1月24日〜11月30日、有償で収集した一般廃棄物の仏壇など219点(計1784キロ)を焚上場などに運び出したとされる。

 宮城県警が廃棄物処理法違反で書類送検していた病院職員2人について地検は、常習性がないことなどから起訴猶予処分とした。

 協会の社長は「違法な部分があって起訴されたことは重く受け止めている。裁判でわたしたちの主張を述べていきたい」とコメントした。



 記事によると、ホルマリンを無許可業者に処理委託していた委託者(病院側)には、「常習性がない」ため、「起訴猶予処分」となったとのことです。

 個人的には、検察側の対応には釈然としないものを感じます。

 無許可業者への廃棄物の処理委託は、廃棄物処理法第25条により、「5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金、またはこれの併科」という、もっとも重い刑罰で処罰される行為です。

 常習性が無い、たった一回のスポット契約であっても、無許可業者に委託をしてしまうと、刑事訴追されることになります。

 刑事訴追しなかった理由に関する報道の内容が、本当に正しいかどうかは確認できませんが、「常習性の有無」だけで起訴の可否を決めるということになると、大変大きな問題を残すことになります。

 ホルマリンは劇物指定されている薬品ですので、「間違えて委託しちゃった」で済む話ではないのです。

 仮に常習性は無かったとしても、排出事業者としてホルマリンを適切に処理しなければならない、という義務に違反していることは明白です。

 今回は、大病院だからこそ起訴猶予処分になりましたが、豪腕弁護士に頼れない企業の場合は、「常習性の有無」に関係なく、起訴されてもおかしくないケースでした。


 くれぐれも、「常習性が無かったら大丈夫なのか」と、法を捻じ曲げて解釈しないようお願いします。

 委託基準に則って、許可業者にキチンと委託をすることが鉄則ですので!


 
 運営サイト 産業廃棄物許可コンサルティングセンター
 著書 「最新産廃処理の基本と仕組みがよ〜くわかる本」