- 最上 雄太
- 株式会社イデアス 取締役CEO
- 東京都
- ビジネススキル講師
対象:人材育成
この本で好感をもてるのは、
第1点は、「新マネジメント論」という副題よろしく心理学とマネジメント(ビジネス)への
接近を試みている点。
第2点は、「あらゆる学問と同じく、心理学は仮説体系であって、その通りに人間が動く
わけでもなければ、人間の心のメカニズムというよものは、心理学者の想像した通りの
ものではない(p.12)」と主張に象徴されるような著者の心理学へのスタンスへの共感です。
第2点にかかわることですが、
・普段の人間関係に関する問題解決のため心理学にヒントを求める人達が、
答えとなるすぐ使えるスキルを求め、簡単に解決しようと(できると)思っていること。
・人の認識・感情・行動について心理学者の言うことを「鵜呑み」にして、そのまま実践しよう
とする傾向が強いこと。
上記に、私は普段強い危惧感を覚えています。
人を理解するのはそんなに簡単なものではないからです。
正しく導くべき心理学者自身が、見る人の関心に対して迎合している傾向も
強くみうけられます。
「あっという間に人間関係が・・」とか、「必ずうまくいく・・」とか、
とても商業主義的に「心理学」の名前を使っています。
結果として、心理学に関わることが全体傾向として「うさんくさい」と思われてしまっている
のではないでしょうか?
この本も表題こそキャッチーになっていますが、
学問としての軸をしっかり守りつつ、かつマネジメントに言及しているので安心して読めます。
周囲の世界に関心が高い 「ジゾフレ人間」
その対比として
自分のことに固執する 「メランコ人間」
自分の認知パターンについて認知しようとする 「メタ認知」
など、この本にはセルフコンセプトを考える上での種(キーワード)がたくさんあります。
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セルフコンセプトの種〜"ぶれない軸"のリソース(書評ブログです)
株式会社イデアス http://www.ideass.jp/
取締役CEO/研修講師 最上雄太