- 野村佳代
- 出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
- ライター
文章の書き出しテクニック(4)
セールスレター、小冊子の書き出し
セールスレターの定型パターンとして、以下のようなものがあります。
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│ 書き出し │
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│ 自己紹介 │
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│ 本 論 │
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自己紹介が書き出しの後に来ることがセールスレターの特徴です。
また、本論についての細かいポイントもありますが、今回は「書き出し」がテーマなので省略して、「書き出し」だけに絞って紹介します。
セールスレターや小冊子は、読者にとって「読まなくてもよいもの」です。
「小説のように積極的に、楽しみに読みたいものではない」とも言えます。
つまり、書き出しの文章で引きつけなければ、読まずに捨てられてしまう可能性があるわけです。
だからこそ、書き出しに迷ってしまう人も多いでしょう。
そこで、今日は比較的かんたんにマネできる定型パターンを紹介します。
この方法から始めて、慣れてきたら自分なりにアレンジしていけば、もう書き出しに困ることはありません。
(1)読者対象者をずばり指定する
セールスレターは、ターゲット以外の人が読んでも価値がないものもあります。
需要を喚起する、という意味でのセールスレターもありますが、それよりずばりターゲットになる人に向けた方が、反響は上がります。
そこで、書き出しの段階で「読者対象者をずばり指定する」わけです。
たとえば「毎月の光熱費に悩んでいる奥様に朗報です」「地域のお客様を3倍増やしたいと考えているショップオーナーのお役に立てる情報です」などと、具体的な読者対象を書き出しで使ってしまうわけです。
そのセールスレターを最も届けたい層をずばり指定すると、ターゲットが引きつけられます。
(2)悩みや不満をつぶやきにする
これも(1)と似た方法ですが、ターゲットの悩みや不満から書き出す方法もあります。
たとえば「光熱費って本当に高いわ。何とか安くならないかしら・・・」「どうして地域のお客様が来ていただけないんだろう・・・」など、ターゲットが悩んでいること、不満に思っていることから書き出します。
すると、その悩み、不満に共感した人がグッと引きつけられるわけです。
この先の文章はかんたんです。
その悩み、不満を解決する方策を自分は知っている、またこのセールスレター、小冊子に書かれていることを書けばいいのですから。
たとえば「もう悩む必要はありません。この小冊子には、あなたのお店の集客を5倍にし、売上を3倍にする方法を紹介しています」などと続けます。
次回は、ビジネス文書での「定型パターン」について、紹介します。