- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
日経記事;『廃ペットボトル、完全再生キリン、工場稼働目指す 化学分解やバイオ技術活用』に関する考察
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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
3月18日付の日経新聞に、『廃ペットボトル、完全再生キリン、工場稼働目指す 化学分解やバイオ技術活用』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『脱炭素社会に向けて、大手飲料メーカーなどが使用済みペットボトルからペットボトルを再生する完全リサイクル技術の確立を急いでいる。従来技術では繰り返し使うと品質が落ちるなどの理由で、回収してもペットボトルの再生に回るのは一部だった。キリンホールディングス(HD)などは化学処理する再生技術を使う。2027年までに専用工場の稼働を目指す。米飲料・食品大手ペプシコなどは微生物の酵素を使う技術を開発する。世界的な環境規制への対応もにらみ開発競争が激しくなっている。。。』
日本は、ほとんど石油、ガス、レアアース・レアメタルなどの天然資源をもたない国です。電気・電子機器などに使用されるレアアース・レアメタルや貴金属などは、都市鉱山と言われていますが、現時点では、国内で完全に回収できるリサイクルシステムが存在していません。
完全なリサイクルシステムを構築する上での課題が、コストになります。国内関連企業には、更なる技術革新を進めて、レアアース・レアメタルや貴金属などを回収できるリサイクルシステムの確立を期待しています。
本日の記事にあります、使用済みペットボトルの回収は、上記レアアース・レアメタルや貴金属などの回収と同じ課題を抱えています。
現在、使用済みペットボトルの多くは、国内で分別収集されています。しかし、その後、大部分のペットボトルは、焼却されます。ペットボトルの再生用途に使われていません。
現在のやり方では、使用済みペットボトルは、粉砕機で細かくされた後、熱処理できれいになったものを、リサイクル品として使用している。
このやり方では、石油から直接作ったペットボトルと同品質のものを作る場合と比較した場合、リサイクル品の使用割合を増やすと色がつく、耐久性が低下するなどの課題があり、回収したペットボトルの多くを活用できない問題に直面します。
この問題を解決するためには、ペット樹脂を化学的な処理で分子レベルまで分解すれば、樹脂を作ることと同じプロセスを行うことが可能になります。
もう一つのやり方は、微生物由来の酵素の働きで、使用済みペットボトルを分解して再生させることです。
いずれのやり方も、石油から作成したペットボトルと同品質のものを提供可能です。
これらのやり方の現時点での課題は、コスト高です。
逆に言いますと、国内関連企業が、このコスト高を更なる技術革新により、解決できれば、国内で使用されるペットボトルの使用量は減少し、石油から作成されますペットボトルの購入量を下げることにつながります。
その結果、海の汚染防止や二酸化炭素の排出量削減につながることになります。今後、二酸化炭素の排出量削減という地球レベルでの動きに対応するため、中期的には石油から作成されるペットボトルの数量が減少する可能性があります。
このような事業環境下、国内関連企業が使用済みペットボトルの完全なリサイクルシステムを構築できれば、環境対策に加えて国内産業の強化に貢献することになります。
日本には、レアアース・レアメタル、貴金属、石油から作成されるペットボトルなど、都市鉱山を含めて多くの資源が存在します。
これらの資源を何回も再利用できるようになれば、日本の天然資源への依存度を下げられます。
また、国内企業は、レアアース・レアメタルの代替品の開発・実用化も進めています。レアアース・レアメタルは、中国が政治的な理由などにより、2010年に輸出規制したことがあります。
この時から、国内企業は、レアアース・レアメタルを使用しない、あるいは使用量を減らす代替品の開発・実用化を進めています。
昨今のロシアによるウクライナ侵略のような大きな政治的・社会的リスクは、今後とも起こると考えておいた方が良いと考えます。
耐性の違い、社会的・政治的思想の違いなどから、地球規模で自由なビジネスを行うことが事実上不可能になっています。
日本は、天然資源をもたない国として、国をあげて、各種資源のリサイクルシステムの確立、あるいは当該資源を使わない、使用量を減らす代替品の実用化などを積極的に考え・実行することが必要です。
天然資源をもたないことは、どのようにして資源を獲得していくか、代替品の開発・実用化を進めていくのかを考える必要性の「母」になります。
日本のこのような技術やノウハウ・商品は、海外市場に外販することで大きなビジネスにつながります。日本にとっては、新規事業となります。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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