米国特許判例紹介:永久差し止めの要件(第4回)  - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
弁理士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:企業法務

村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
尾上 雅典
(行政書士)
河野 英仁
(弁理士)

閲覧数順 2024年04月23日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

米国特許判例紹介:永久差し止めの要件(第4回) 

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 企業法務
  3. 企業法務全般
米国特許判例紹介:永久差し止めの要件
 〜eBay最高裁判決 4 Factorsの適用基準〜(第4回) 
河野特許事務所 2009年3月20日
執筆者:弁理士  河野 英仁

5.結論
 CAFCは、被告に対する永久差し止めを認めた地裁の判断を支持した。

6.コメント
 本事件では、既にライセンスを他社に認めていた場合でも、被告に対する永久差し止めが認められる点が明らかとなった。また、裁判所は第4の要件である公共の利益を重視する旨述べているが、イ号製品が原告特許に係る製品よりも優れていることは何ら考慮されない判示された。

 eBay最高裁判決後においても、本事件と同じく永久差し止めを認める判決が数多くなされている*4。

 CAFCは米国特許法第154条を示した。
「全ての特許証は,発明の簡単な名称,並びに特許権者,その相続人又は譲受人に対して,詳細は明細書を参照して,他人がその発明を合衆国において製造,使用,販売の申出若しくは販売すること,又は当該発明を合衆国に輸入することを排除する権利,及び,発明が方法である場合は,他人が当該方法によって製造される製品を合衆国において使用,販売の申出若しくは販売すること,又は合衆国に輸入することを排除する権利の付与を含むものとする。」

 そして、CAFCは
「特許を付与することの本質的な考え方は、特許権侵害から競合他社を排除することにある」
と述べ、特許の基本的原則を明らかにした。

判決 2008年12月30日

                                          以上
【関連事項】
判決の全文は連邦巡回控訴裁判所のホームページから閲覧することができます[PDFファイル]。 http://www.cafc.uscourts.gov/opinions/08-1124.pdf