- 江藤 繁
- 有限会社エストア 代表取締役社長
- エクステリアコーディネーター
対象:エクステリア・外構
- 久保田 優一
- (ガーデンデザイナー)
エクステリア(外構)は、住宅と密接した関係にあります。
しかし多くの場合、住宅デザイン・間取りとエクステリアデザインは別に考えられがちです。
それは概念が違うと認識されているからだと思います。
エクステリア(外構)というイメージは、家の容姿や近隣との境界に使用する建材となりやすく、
“住み方”とはあまり近い存在でないと思われているのではないでしょうか。
では、住宅の内部が通行する人に見られてしまうことを想像すると、
ある程度の高さの塀(フェンス)が必要になります。
この時、室内からいつも塀(フェンス)を眺められるとすると無機質な塀(フェンス)デザインのでは、
豊かな住空間(室内空間)であると言えないことになります。
無機質な塀(フェンス)の手前に植栽をしてみたり、
塀(フェンス)自体にデザイン性の良いものを採用することで、
室内から眺める景色は大きく変化します。
つまり、室内から眺められる景色が室内環境にも十分影響を及ぼすことになります。
この様にエクステリア(外構)・庭作りによって室内環境を変えてしまうこともあるのです。
私が住宅設計を行う際には住み手の“目線”を良く考えます。
日曜日の晴れた日にリビングのソファーでコーヒーを飲みながら外を眺めた時、
目に入ってくる景色が穏やかなのか、無機質なのかではコーヒーの味は違ってくると思うのです。
近年ではオープン外構の住宅が多く見られ、住宅環境によっては駐車場の車を眺めるリビング、
また植栽も出来ないほど塀と密接したリビングなども見られる様になりました。
仕方なくカーテンや雨戸を閉切った状態では環境の良い室内空間とは言えないでしょう。
こういった場合には、ブラインド・ロールスクリーンなどを採用し、
少しでも太陽の光を取り入れることで、室内環境は変わります。
また、洋風の室内に障子を採用することも非常に面白いと思います。
障子は、カーテンと違い埃もたたず、太陽の光を柔らかく室内に供給してくれます。
窓越しの視線は、工夫次第で豊かに、そして独創的な室内環境を作り出すことも可能なのです。
室内・窓・ウインドトリートメント・エクステリア(外構)のそれぞれのデザイン性を、今一度検討してみては如何でしょうか。
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